チップレットとは?技術内容や将来性をわかりやすく解説!
2026年2月27日更新
この記事を書いた人

大手メーカー「コマツ」、「オムロン」などで7年間、アナログ回路エンジニアとして設計・評価業務に従事。
ECU、PLCなどのエレキ開発経験を多数持つほか、機械商社での就労経験も有する。
株式会社アイズ運営の機電系フリーランスエンジニア求人情報「FREEAID」専属ライターとして、
機電分野の知識と実務経験を活かし、専門性の高い記事執筆を行っている。
チップレットとは?
チップレットとは、複数の小さな半導体チップを組み合わせて、一つのICチップを作り出す技術のことです。様々な機能を持ったチップレットを、インターポーザーと呼ばれるプリント基板上に乗せて接続することで、SoCのような1枚のチップを作り出します。
いうなれば小さな半導体チップを組み立てて大規模なチップを作る技術であり、技術内容自体は新しいものではありません。しかし、半導体の微細化に伴う課題を解決し、さらなる進化を助ける技術として注目されつつあり、実際に最先端のAI半導体などに活用されています。
チップレット技術が求められている背景

なぜチップレット技術が必要とされているのでしょうか。その背景には、半導体の微細化が進んだことによる歩留まりの低下があります。半導体は微細化が進むほど性能が向上し、消費電力も低下するため、半導体メーカーは微細化をどんどん進めてきました。最近では2nmプロセスが登場するなど、微細化・高密度化は一昔前では考えられないほどに進んでおり、今後もさらなる微細化の研究が進んでいます。
しかし、半導体構造が微細化すればするほど小さな欠陥でも不具合の原因になるため、歩留まりが悪化するといった問題が表面化し始めています。実際に、2018年に発表された論文では、777平方mmの大規模回路を1チップで形成した場合、量産初期では4%、安定成熟期でも26%という低い割合でしか正常品が作れないことが示唆されています。
出典:Greg Yeric, arm community,“Three Dimensions in 3DIC – Part I”, April 2, 2018
このような場合に、チップレットによって回路を4つに分割できれば、量産初期でも21%、量産成熟期なら59%にまで歩留まりを上げられるので、量産に伴うコストを大きく減らすことができます。この内容は巨大なサーバー用の回路を無理やり1つのチップに収めた極端な条件での場合ですが、現実でも回路の小規模化は歩留まり向上に一定の効果をもたらすことが分かっています。
チップレットは今後さらに広がっていく

このように、チップレット技術は最先端の半導体チップの歩留まり向上に大きなインパクトをもたらすため、多くの半導体製造メーカーで利用が広がっています。市場調査では、2023年から2030年にかけてチップレット市場が年間35%以上の成長を続けると予測されているほどで、その期待度の高さが分かります。
また、チップレットは設計規模が小さく開発ハードルが低いため、大規模なチップの開発ができなかったメーカーでも最新の半導体設計に参入できる特徴があります。この違いにより半導体業界の開発競争に大きな変化が生じ、チップレットの普及・進化に拍車がかかることが想定されています。
チップレット化は半導体製造業界への影響も
なお、チップレット市場が広がっていくと、半導体製造業界にも大きな影響が及ぶという予測がされています。現在は、半導体製造の前工程をファウンドリが、後工程をOSATが分業する形で担当しており、技術的な役割分担が確立しています。
しかしチップレットは、複数のチップを一つにまとめる過程で前工程・後工程どちらの技術も必要な「中工程」が新たに生じます。この工程はファウンドリとOSATがそれぞれのノウハウを活かせることから、製造の主導権を握るための競争が再度生じると考えられています。現在は各企業が積極的に技術開発を行っている途中ですが、今後の研究が進むにつれ、半導体製造業界にも大きな変化が生じる可能性が高いでしょう。
まとめ
今回は、半導体開発技術の一つであるチップレットに焦点を当て、どんな技術かやその将来性、業界に与える影響などをお伝えしました。チップレットは小さな半導体チップを組み合わせ、一つの大規模なチップを作り出す技術のことです。昨今の微細化に伴う歩留まりの低下を防げることから、今後のチップ開発で欠かせない技術になるとして期待されています。
半導体設計や製造に大きな変革をもたらしうる、半導体業界の中でも特に重要な技術なので、技術の進化を注視しておくとよいでしょう。
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