コネクテッドカーとは?関連技術・サービス・課題点などを詳しく解説

2025年7月6日更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶全てのものがインターネットに繋がるIoT社会。そんな社会を実感できるアイテムである、コネクテッドカーのことをご存知でしょうか。今回はコネクテッドカーについて、関連する技術や市場の動向、提供されているサービスなどを詳しく解説します。
コネクテッドカーとは?
コネクテッドカーとは、IT機器によってインターネットに接続された車のことです。車に搭載された様々なセンサーによって車の状態や走行情報、周囲環境などのデータを採取し、インターネットを通じて他の車や人と双方向に通信することで、様々な付加価値を提供できると言われています。
コネクテッドカーを取り巻く技術について
コネクテッドカーの普及には、いくつかの技術の発展が関係しています。例えばセンサの高性能化や小型化が進んだことで、より多くのデータを正確に収集できるようになりましたし、スマートフォンの普及により情報通信のインフラが整備されたことで、他の車やインフラとの通信も容易になりました。
また、無線通信技術が発展したことで、収集したデータを遅延なく伝送できるようになったことに加え、ビッグデータやAI、クラウドなどの技術の発展により、収集した膨大なデータをリアルタイムで蓄積、解析できるようにもなったのです。
コネクテッドカーの市場動向
富士経済が2023年に発表したコネクテッドカーの市場調査によると、乗用車の販売台数のうち半数以上が既にコネクテッドカーになっており、2035年にはその割合が8割以上に成長すると予想されています。また商用車についても乗用車と同等の市場成長が見込まれており、両方を合わせた販売台数に注目すると、新車のコネクテッドカーの見込み販売台数は2023年で5,000万台強、2035年には倍近い9,000万台にまでのぼると予想されています。
コネクテッドカーを実現する「V2X」
コネクテッドカーを実現する無線通信技術は、総称してV2X(Vehicle to Everything)と呼ばれます。その内訳は、車同士の通信を示すV2V、車とインフラ間の通信を示すV2I、車と歩行者間の通信を示すV2P、車とネットワーク間の通信を示すV2Nの4種類です。
現時点ではV2Xの標準となる通信規格が規定されていないものの、一般的にはDSRCとC-V2Xの2種類が知られています。DSRCとはIEEE 802に規定されている無線LAN規格を使用する通信のことで、実績があり信頼性も高いものの、通信範囲が限られる狭路通信となります。一方のC-V2Xは携帯電話用回線を使用しており、短距離から長距離まで広い範囲を網羅できるのが強みです。
コネクテッドカー向けのサービスや機能
続いて、コネクテッドカー向けに提供されているサービスや機能についても解説していきます。
快適な乗車体験の提供
コネクテッドカーには、従来の車にはない快適な乗車体験を提供するサービスがいくつかあります。分かりやすい物としては、車の機能を遠隔操作することで、乗車前に車内を快適な温度や湿度に調整できる機能や、言葉だけでナビゲーションを頼めるAIエージェントシステムなどが挙げられるでしょう。
他にも車の健康状態を数々のセンサーで検知し、最適なタイミングでの点検や修理を促すサービスや、道路状況などの動的情報をリアルタイムに収集することで、高精度なダイレクトマップを構築するサービスなどもあります。
安全運転を支援する機能
コネクテッドカーでは、V2V(車同士)やV2P(車と人)、V2I(車とインフラ)の通信が活発になることで、今以上に安全な運転を支援できるようにもなります。具体的には、前を走る車と通信を行うことで車間距離を常に一定に保つようサポートしたり、他の車や歩行者、インフラなどと接触しそうになった際に、自動的に速度を落とすといった安全機能が挙げられます。
また最近では、万が一事故が発生した際に、最寄りの警察や消防などに自動で通報してくれるサービスの導入も進んでおり、ロシアやEUでは装着が義務付けられています。中には衝突の衝撃やシートベルト装着の有無などの情報から事故の重篤度を計算し、ドクターヘリの出動要否まで判断してくれるサービスもあり、従来より安全な運転をサポートする機能が充実しています。
専用の保険契約
国内外のいくつかの保険会社が提供するサービスとして、車の走行距離やスピード、急発進や急ブレーキの頻度などの運転実績から、運転者の運転特性や危険性などを算出し、最適な保険料を算定するテレマティクス保険もあります。
さらにドライブレコーダーと連携することで、事故が起きた際の責任の所在を明らかにしたり、事故後の対応を迅速にできるサービスなども提供されています。プライバシーの問題や無保険者が増える可能性などが危惧されてはいるものの、運転実績に自信がある人はテレマティクス保険への加入を考えてみても良いでしょう。
盗難対策サービス
コネクテッドカーには、盗難対策を目的としたシステムもいくつか提供されています。具体的な機能としては、車の位置情報から盗難者を追跡する機能や、遠隔操作によって車をゆっくりと停止させる機能、エンジンやシステムがそもそも動かないようにする機能などが挙げられます、また、これらの機能が浸透していけば、車を盗難するインセンティブが減っていき、盗難件数自体の低下にも繋がるため、コネクテッドカーの普及そのものが犯罪対策に繋がることも覚えておきましょう。
コネクテッドカーにおける課題点
コネクテッドカーは非常に便利な車ではあるものの、いくつかの課題も抱えています。代表的なものについて理解しておきましょう。
セキュリティ面の課題
インターネットに常時接続されるコネクテッドカーの最大の課題として、情報セキュリティインシデントの可能性が挙げられます。万が一サイバー攻撃によって遠隔操作機能を悪用されてしまうと、重篤な事故に繋がる可能性があり、実際に2015年には、Chrysler社のJeepが遠隔地からハッキングできることが実証されてしまったため、およそ140万台ものリコールを招いたこともありました。コネクテッドカーに対する情報セキュリティ対策は急務とされているものの、日本は対応がやや遅れているという見方もあるため、今後も更なる強化が課題となるでしょう。
IT機器と車の寿命の違いによる管理面の課題
車とIT機器類は機器の寿命などに乖離があるため、性能を維持するための管理が面倒になるのも課題の1つです。前提として、車は定期的な点検や整備こそ必要ではあるものの、基本的には数十年単位で乗り続けることができます。
これに対しIT機器類は、モデルチェンジの周期が非常に早く、寿命もあまり長くはありません。加えて、IT機器の性能を保つためには、定期的なソフトウェアアップデートなどが欠かせないため、コネクテッドカーとしての機能を保ち続けるには、従来の車より面倒な管理が必要になるのです。
一般車よりもコストがかかる
一般の車に比べ、部品点数が多いコネクテッドカーでは、コストが高騰しやすいという課題もあります。センサーや通信機器が多く搭載されることで、従来の車よりも車両価格が高くなるのはもちろんのこと、既に触れたようにIT機器類の定期的な買い替えにも費用がかかります。現段階ではまだコネクテッドカー以外の車も多数販売されているものの、今後、一般車の販売数が減っていくことが予想されるため、コストの増加は避けられないでしょう。
まとめ
今回はインターネットに常時接続される車、通称コネクテッドカーについて、言葉の意味や提供されているサービス、現状の課題点などを解説してきました。セキュリティ面などいくつか課題が残ってはいるものの、IoT社会の効果を実感しやすいものであるため、気になる人はぜひ詳しく調べてみると良いでしょう。
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