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  • IoTの仕組みやできることとは?分野別の活用事例も紹介します
  • IoTの仕組みやできることとは?分野別の活用事例も紹介します

    2024.08.06更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    IoTはスマートホームや自動運転など、暮らしをより便利にする技術として急速に実用化が進んでいます。しかし、IoTという単語は知っていても、その技術を詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、IoTの仕組みやIoTを使ってできることについて解説します。

    IoTとは?

    IoTとは「モノのインターネット」と呼ばれる技術のことで、あらゆるものをインターネットにつなぐための技術を指します。今まではパソコンやスマートフォンなど、一部の電子機器のみがインターネットに接続されていました。しかし、IoTの発展により、今までインターネットには接続されていなかったエアコンや冷蔵庫など、家電を始めあらゆる電子機器に通信機能が搭載され、インターネットに接続されています。

    IoTにはデータを取得するためのセンサーや、モーターなどのアクチュエーターも接続されているため、私たちはIoTを通じてさまざまな情報を大量に得られるようになり、また遠隔操作も行えるようになっています。

    IoTの仕組み

    アイオーティーはモノの情報を取得し活用できるようにするため、デバイス、ネットワーク、サーバーの3つで成り立っています。

    デバイス(センサー)

    デバイスは、家電など、データを取得するモノのことです。デバイスにはセンサーと無線機能が搭載されており、温度や湿度、動きなど、さまざまな情報を取得してサーバーに送っています。また、モーターやアクチュエーターなどの制御部品が搭載されていることもあり、センサーの情報や外部からの信号を元に、自動で動作することもあります。

    ネットワーク

    デバイスがIoTとして働くには、ネットワークが欠かせません。ネットワーク構成にはさまざまな形式があり、直接インターネットに接続するものから、ゲートウェイを通す方法、遠隔地との共有が必要ない場合はクローズドなLANで使う場合もあります。

    ネットワーク構成を決める際は、利用範囲や通信速度だけでなく、通信における消費電力の大きさや、セキュリティー上の脆弱性なども考慮して決めることが重要です。

    サーバー(クラウド)

    様々なデバイスで得られた情報を、ネットワークを通じて取得し、蓄積するのがサーバーです。サーバーにたまった情報は、別のデバイスからサーバーにアクセスして確認できるほか、最近では取得したデータをAIで分析し、役立てることもできます。また、スマートフォンなどでIoTを遠隔操作する場合も、サーバーを経由して指示を行います。

    サーバーはオンプレミスとクラウド、どちらでも利用可能です。しかし、IoTのデータ量は日々増加していること、AIなどによる最先端の分析作業を行えることから、データ量を柔軟に調整できるクラウドサーバーの方が向いています。

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    IoTでできること

    IoTを使ってできることは、主に4つに分類されます。それぞれについて紹介します。

    モノの状態を知る

    IoTの基本的かつ重要な機能は、遠くにあるモノや、機械内部に入っている部品など、普通は見れないモノの状態をどこでも把握できることです。非常に汎用性が高いため、遠隔監視や自動検知を主としたサービスに活用されつつあります。実際に、身近な暮らしから産業用まで、多岐にわたる用途で下記のような製品やサービスが提供されています。

    • ・親が暮らす家の家電製品が使われているかを監視する
    • ・ウェアラブルデバイスを通じて、家族の健康状態をリアルタイムで把握する
    • ・バスなどの運行状況を検知して表示する
    • ・機械の動作異常を検知して通知する
    • ・機械部品の状態を監視し、壊れる前に劣化していることを知らせる

     

    モノを操作する

    モノを遠隔操作できるのも、IoTの重要な機能です。スマートフォンを使って家電を操作するなど、生活を便利にする用途に使われるほか、大規模な作業の自動化など、産業の自動化・無人化を実現する技術としても注目が集まっています。

    この用途では、下記のような実例があります。

    • ・スマホを使って、外出先からエアコンをつける
    • ・遠隔地にある監視カメラを動かす
    • ・日光を認識して自動でカーテンを開ける
    • ・ドローンを使い、農地に自動で肥料を散布する
    • ・ブルドーザーを自動で動かし、完成計画に沿った整地を行う

     

    モノ同士で通信する

    IoTはモノをインターネットに接続することを指しますが、モノ同士で通信しあい、情報交換や自動制御を行うこともできます。モノ同士の通信はM2M(Machine to Machine)とも呼ばれており、2000年以前から実用化されている、IoTより歴史の長い技術です。自動運転や工場の自動化などの最先端技術に用いられています。

    IoTでモノ同士の通信を行うことで、自動運転に交通状況を反映させるなど、最新技術のさらなる発展が期待できるでしょう。モノ同士の通信を利用したIoTには、下記のような実例があります。

    • ・スマートスピーカーに話しかけて家電を動かす
    • ・特定の場所の温度を管理し空調を制御する
    • ・信号の状態を受信し、車の速度を自動制御する
    • ・セキュリティーの異常を検知し、監視カメラの録画を自動で開始する

     

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    IoTの分野別活用事例

    IoTでできることをお伝えしましたが、実際にさまざまな分野でIoTは使用されており、暮らしの利便性向上や産業の自動化・効率化に貢献しています。ここからは、分野別の活用事例をお伝えします。

    医療用IoT

    医療用では、ウェアラブルデバイスを利用して人の健康状態を確認する仕組みが多数開発されています。例えば、睡眠や歩数、消費カロリーを測るスマートウォッチや、姿勢や心拍数を測るセンサー付きのインナー、患者のバイタルサインをチェックし、通知するベッドなどです。

    他にも、高齢者の生活状況を検知して、遠くの家族に知らせる見守りシステムや、処方箋の服薬状況を監視するシステムなどが実用化されています。より簡易的な例では、スマートウォッチで衝撃を検知し、人の転倒を知らせるといった事例もあります。

    交通用IoT

    交通用のIoTでは、自動車や公共交通機関の更なる利便性・安全の向上に向けた事例が多数あります。公共交通機関においては、電車やバスへのIoT搭載により、到着時間をリアルタイムに表示しています。自動車では、ドライブレコーダーのデータや位置情報などを元に、安全運転に向けたサポートや、事故多発地点の通知など情報提供を行ってくれるIoTが複数販売中です。

    また、MaaS(Mobility as a Service)を実現するのにもIoTは欠かせません。MaaSは、各種公共交通機関やレンタカー、タクシーなどがアプリ内で統合され、マイカーがなくとも簡単に移動手段が確保できるサービスのことです。

    渋滞の緩和や利便性の向上などメリットが多いため、次世代のモビリティサービスとして注目が集まっており、MaaSに必要なIoTの開発も進んでいます。同様に、自動運転やADAS(先進運転支援システム)にもIoTが重要な役割を果たすでしょう。

    農業用IoT

    農業においては、これまで人による経験知によって作られていた農産物を統計化・データ化し、農業を最適化する「スマート農業」の取り組みで、IoTが多数活用されています。スマート農業では、IoTをいくつかのステップに分けて活用しています。

    一つ目のステップはデータ収集です。農場において多数のセンサーを配置し、気温・日照時間・雨量といった気象データと共に、農作物の生育状況を監視し、農場の状況をビッグデータ化します。続いて、ビッグデータを分析し、収穫量や病害発生の予測を行うのが二つ目のステップです。サーバーでAIを活用し、今まで予測が難しかった問題を予測し、解決できることが期待されています。

    この予測データを活用し、設備や育成システムを自動制御するのが三つ目のステップです。土壌の水分量を監視して自動で水やりを行うシステムや、ハウス栽培であれば日照量をチェックして自動でブラインドを動かすなど、できることは沢山あり、農業の省人化にも貢献します。

    工場用IoT

    工場においても、IoTを導入して生産性や品質の向上、コスト削減を目指す「スマート工場」が注目を集めています。活用方法は農業と同様であり、工場における設備の稼働状況や、作業効率などあらゆるデータを収集、分析することによる最適化と、自動制御による省人化が実現可能です。

    他にも、複数の工場で製品を製造している場合であれば、一つの工場で問題が発生し、必要な製造量が実現できなかった分を他の工場が肩代わりするなど、生産に柔軟性を持たせることもできます。また、熟練作業者の作業内容をデータ化し、次世代の技術者を育成する際のノウハウ蓄積に利用するといった応用例もあります。

    スマート工場については大規模なIoT化なので導入が難しく感じますが、実際に多数のメーカーで実現されており事例も多いので、イメージよりも導入は現実的だといえるでしょう。

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    まとめ

    今回は、IoTの仕組みやできること、どのような分野で活用されているかをお伝えしました。IoTはデバイス、ネットワーク、サーバーで成り立っており、モノのあらゆる情報を取得・分析することで、今までになく利便性の高いサービスを実現します。

    また、モノ同士の通信によって、データをもとに自動制御も行えることから、工場の自動化などの次世代技術にも欠かせない存在です。IoTはこれからも爆発的な発展と普及が予測されています。私たちの身近な生活にも大きな影響を与えるので、これからの技術動向を注視しておいてください。

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