QC7つ道具とは?具体的な種類・用途・新7つ道具についても解説!

2025年6月14日更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶ビジネスシーンなどにおいても使用されることの多いQC7つ道具。名前だけは聞いたことがある人も多いと思いますが、具体的な中身についてしっかりと理解している人は少ないはず。そこで今回はQC7つ道具について、具体的な種類や役割、使用する上でのポイントなどを解説していきます。QC新7つ道具として知られるツールについても紹介していくので、ぜひ最後まで読んでみてください。
QC7つ道具とは?
QC7つ道具とは、製造業における品質管理(QC:Quality Control)を行う際に使用される分析手法のことです。現状の把握や課題の抽出、課題を招く原因の分析、課題解決に向けた取り組みの効果検証など、品質管理における様々な場面で使用されています。
具体的にはグラフ、管理図、パレート図、特性要因図、ヒストグラム、散布図、チェックシートがあり、それぞれ扱うデータや目的が異なります。一般的には製造業向けの分析手法として紹介されているものの、あらゆる課題解決に役立つツールとして知られているため、ビジネスマンであれば覚えておいて損のないツールと言えるでしょう。
具体的なQC7つ道具について解説!
それでは早速、QC7つ道具について具体的な役割などにも触れながら解説していきます。
①グラフ
グラフは何らかのデータを視覚的に分かりやすく表示するツールのことで、主な種類として構成比を視覚化する円グラフ、何らかの量の大小を比較する棒グラフ、物事の推移を視覚化する折れ線グラフ、構成比の比較に適した帯グラフなどが挙げられます。
エクセルなどで各種のグラフを作成したことがある人は多いと思われるので、QC7つ道具の中では最も馴染みのあるツールと言えるでしょう。比較的使いやすいツールではあるものの、扱うデータやグラフの種類を間違えると間違った結果を招く恐れがあるため、品質管理にグラフを用いる際は十分な注意が必要です。
②管理図
管理図とは品質の変化を時系列で表した折れ線グラフのことで、横軸に時間、縦軸に不良品の発生件数など品質が分かる数値を取るのが一般的です。管理図には品質管理の限界を表す上方管理限界(UCL)と下方管理限界(LCL)、および目標値を表す中心線(CL)を引いておき、管理限界を超える、あるいは将来的に超えそうな製品や工程を早期に見つける目的で使用されます。
なお、不良品の発生件数などを縦軸に取る場合、下方管理限界を下回る(=不良品の発生が少ない)のは良いことのように思われますが、実際には品質管理が過剰で管理コストが掛かりすぎているという見方もできるため、中心線付近でデータが推移しているのが良い状態であると覚えておきましょう。
③パレート図
パレート図とはデータの数を棒グラフで、累積比率を折れ線グラフでそれぞれ表したツールのことです。パレート図を用いることで、重点的に取り組むべき問題を見える化でき、物事の結果の8割は2割の原因によって生じるという経験則、通称パレートの法則における2割の原因を探るのにも役立ちます。
ちなみに累積比率とは、それぞれのデータ数が母数全体に対して占める割合を足し合わせた数値のことで、グラフの最右端で100%となります。またパレート図では数が大きいデータから順に並べて表すため、棒グラフは右肩下がり、折れ線グラフは右肩上がりになる特徴もあるため、併せて覚えておきましょう。
④特性要因図
特性要因図とは何らかの問題について、発生する原因を深ぼって解析するのに使われるツールのことで、魚の骨のように見えることからフィッシュボーン図とも呼ばれます。書き方としては、背骨に見立てた矢印と解析対象となる問題事象を先に書き、不具合事象に繋がる原因を骨に見立てて、背骨に向かうように複数書いていきます。
それぞれの課題に直結する原因を表す矢印は大骨と呼ばれ、大骨を招く原因は中骨、中骨を招く原因は小骨として掘り下げて書いていくことで、ある不具合事象に繋がる原因を階層や種類毎に整理できるイメージです。ちなみに大骨を考える時は、人、機械、方法、材料という4つの視点(通称4M)を意識すると解析しやすいので、覚えておきましょう。
⑤ヒストグラム
ヒストグラムは何らかのデータを複数の区分(階級)に分け、それぞれの区分に属するデータの量(度数)を棒グラフのように表した度数分布表のことです。ヒストグラムを用いることで、データ全体の度数分布を視覚化でき、バラつきや偏りなどが分かりやすくなります。
データの量を視覚化するという意味ではパレート図に似ていますが、パレート図は不具合の発生原因など数値では表せない特徴を横軸に取るのに対し、ヒストグラムは製品の重量や寸法、加工時間など、品質に関係する数値を横軸に取るのが特徴です。
⑥散布図
ある2種類のデータ間の相関関係について解析するツールが散布図で、縦軸と横軸にデータの特性を表す数値を取り、その交点をプロットした図となります。相関関係には正の相関と負の相関、および無相関の3種類があり、横軸の数値が増加するにつれて縦軸の数値も増加していくのが正の相関、横軸の数値が増加するにつれて縦軸の数値が減少していくのを負の相関、横軸の増減と縦軸の増減に規則性が無いのを無相関です。
散布図の具体的な使い方として、不具合の発生数を縦軸に取り、様々な推定原因を横軸に取ることで、不具合の発生数に相関のある原因を追求する使い方が挙げられます。また、不具合の発生数を縦軸にしたまま、品質向上に向けた取り組みに関する数値を横軸に取ることで、取り組みの効果を検証するのにも役立ちます。
⑦チェックシート
チェックシートは事前に記入された項目について、データを記録していくツールのことです。決まったフォーマットは特に無く、目的や扱うデータなどに応じて様々な物が存在します。具体的な活用イメージとして、実施すべき作業項目を記入したフォーマットを使用し、1つ1つの工程を終えるごとにチェックさせることで作業内容の抜け漏れや属人化を防ぐ用途があります。
他にも、想定される不具合原因を列挙したチェックシートを使用し、不具合が発生した際の原因を集計することで、発生頻度の高い不具合事象を見える化するといった用途が考えられます。チェックシートを使って正確にデータを収集するには、どの項目にチェックすべきか迷わない項目を設定したり、記録作業が作業者の負担にならないよう配慮することが大切です。
QC7つ道具を使用する際のポイントとは?
非常に便利な解析手法であるQC7つ道具ですが、うまく活用するには幾つかのポイントを押さえておく必要があります。1つ目に大切なことは使用する目的やゴールイメージを明確にしておくことです。既に説明したように、それぞれのツールは解析するデータや目的に違いがあるため、目的が曖昧だと適切なツールを使うことはできません。まずはどんなデータを用いて何を達成したいのか、という点を明確にして使うようにしましょう。
また使用するデータについても注意が必要です。適切な方法で記録されたデータを使うのはもちろんのこと、主観的なデータではなく数値で表せる客観的なデータを使う必要があります。さらに得られた解析結果をすぐに鵜呑みにせず、解析の内容は適切だったか、使用したデータに誤りはないか、という観点で検証を行い、誤った解析結果とならないよう注意しましょう。
新QC7つ道具についても解説!
QC7つ道具が、不具合の発生件数など定量的なデータを扱うのが得意な手法であるのに対し、言語データなど数値化が難しい定性的なデータも扱えるのが新QC7つ道具です。具体的には、一見関係性がないように見える言語データを洗い出し、親和性が高いグループを見える化する親和図法、不具合事象を招く原因を洗い出し、それぞれの論理的な関係性を見える化する連関図法、ある目的を達成するためにやるべき施策を複数の階層で見える化する系統図法などがあります。
他にも行列を使い複数の要素について評価することで、優先順位などを決めるマトリックス図法や、工程や物量などの流れを見える化するアローダイアグラム、製造工程におけるリスクと対応をフローチャートで示し、代替案などを決めるPDPC法、行列の形式で集計されたデータから散布図を作り、多変量解析を行うマトリックスデータ解析法もあります。
まとめ
今回は製造業の品質管理に使用されるQC7つ道具について、基本的な内容を中心に解説してきました。それぞれのツールの目的や役割などが分かったのではないでしょうか。冒頭でも触れたように製造業以外でも役にたつ万能ツールでもあるため、時間がある方は一度勉強してみては如何でしょうか。
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