FREE AID

機電系フリーランスエンジニア求人情報サイト「フリーエイド」

">>
  • ロジックICとは?種類・メリット・搭載される回路などを解説!
  • ロジックICとは?種類・メリット・搭載される回路などを解説!

    2025.01.17更新

    機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶

    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    半導体分野でよく耳にするロジックIC。論理回路を構築する上で必須の部品でありながら、種類などを詳しく知らない人は多いはず。そこで今回はロジックICの基礎について、論理回路や論理ゲートなどの基本的な内容にも触れながら解説していきます。ぜひ最後まで読んでみてください。

    論理回路とは

    まず前提として、論理回路が何を指しているのかを解説しておきましょう。0から9までの数字を用いて足し算や引き算などを行う演算を算術演算と呼ぶのに対し、真または偽という2値だけを用いて命題の真偽を判別する演算を論理演算と呼びます。そしてデジタル回路の分野において、真偽を1と0に置き換えて論理演算を行う回路を論理回路と呼びます。

    論理回路における個々の演算は命題の真偽を判断しているだけですが、複数の論理素子を組み合わせて複雑な論理回路を構築すれば、CPUのように複雑な演算を行う機器も作ることができます。

    論理回路を構成する論理ゲートの種類

    論理回路を構築する最小の論理素子は論理ゲートと呼ばれ、基本的な種類としてNOT、AND、OR、NAND、NOR、XORの6種類が存在します。

    NOT・AND・NANDゲート

    最もシンプルな論理ゲートであるNOTは入力と反対の論理値を出力するゲートで、入力が1なら0を、入力が0なら1をそれぞれ出力します。またANDは全ての入力が1の場合にのみ1を出力し、それ以外の入力の時は0を出力するゲートで、出力値が入力値を掛け算したような振る舞いを見せることから、論理積とも呼ばれます。そしてANDとNOTを組み合わせたゲートをNANDと呼び、全ての入力が0の場合にのみ1を出力し、それ以外の入力の時は0を出力します。

    OR・NOR・XORゲート

    ORは全ての入力が0である場合にのみ0を出力し、1の入力が1つでもあれば1を出力するゲートで、入力値を足し算したように振る舞うことから論理和と呼ばれます。またORと反対の動作をするゲートがNORであり、入力が全て0の場合にのみ1を出力し、入力に1つでも1が含まれると0を出力するゲートです。そして排他的論理和とも呼ばれるXORは、入力が0だけ、あるいは1だけの場合にのみ1を出力し、入力に1と0が混在している場合には0を出力するゲートです。

    ロジックICとは

    ロジックICとは、論理ゲートや特定の機能を持つ回路を集積してパッケージングした部品のことです。内部回路の種類や数、入出力ピンの数や配置などの違いにより様々な製品が販売されており、中でも駆動電圧や入出力インターフェースなどの仕様を統一して開発された製品群を、シリーズやファミリーと呼んでいます。

    同一シリーズのロジックICは品番によって機能を区別しているため、ユーザーは欲しい機能の番号を指定するだけで、必要なロジックICが分かるようになっています。なお業界内では74シリーズや40シリーズが事実上の標準仕様の製品群として知られています。

    ロジックICの代表的な種類

    ロジックICには回路構成の違いにより、大きく3種類に分類されます。

    初期のロジックICに使用されているTTL

    トランジスタと抵抗素子のみで構成された回路をTTL(Transistor Transistor Logic)と呼び、テキサス・インスツルメンツ社が開発した74シリーズをはじめ、初期に開発されたロジックICはTTL構造のものが多いです。回路構造がシンプルで分かりやすく、動作速度が比較的早い上に大きなドライブ電流を流せるのが利点ではあるものの、消費電力が大きいというデメリットがあるため、現在ではこの後説明するCMOSロジックICが主流となっています。

    現在の主流となっているCMOS

    Pチャネル型MOSFETとNチャネル型MOSFETを組み合わせた回路構造をCMOSと呼び、現在販売されているロジックICの多くに使用されています。代表的なシリーズとしてRCA社が1968年に開発した40シリーズが挙げられ、先に説明した74シリーズも最近ではCMOSを用いた製品がほとんどです。CMOSの利点としてTTLよりも消費電力が少ないことが挙げられ、初期のCMOSはTTLに比べて動作が遅いデメリットがあったものの、現在ではTTL以上の動作速度になるよう改良されています。

    TTLとCMOSを組み合わせたBiCMOS

    TTLとCMOSを組み合わせたBiCMOS構造を持つロジックICも存在します。BiCMOSは入力段と論理回路部分にCMOS構造を、出力回路にTTL構造をそれぞれ使用することで、CMOSの利点である低消費電力とTTLの利点である大きなドライブ電流の両方を実現した回路構造です。但しそれぞれの構造を必要とする関係で製造コストは高くなりがちで、実態としては総合的に優れるCMOSの方がロジックICの主流のとなっています。

    ロジックICを使用するメリット

    ロジックICを使用するメリットとして、従来と比べて回路構築が容易になったことが挙げられます。特にフリップフロップや加算器、シフトレジスタなど、高機能な回路が搭載されたロジックICを使えば、回路設計の知識が少ない人でも複雑な論理回路を比較的容易に構築することができます。また内部回路の組み合わせや数、入出力ピンの配置などの違いにより様々な製品が用意されているため、仕様に合わせて最適な回路が設計できるのもメリットと言えるでしょう。

    ロジックICに搭載される回路の種類

    続いてロジックICに搭載される素子や回路について、代表的な種類を解説していきます。

    ゲート回路

    ロジックICに搭載される論理回路の中で最もシンプルな回路が、先ほど解説したANDやOR、NOTなどの論理ゲートです。製品の型番によって搭載されている論理ゲートの種類や入力点数が異なり、例えば型番が74HC00なら2入力のNANDゲートが4つ分搭載されているのに対し、74HC20なら4入力のNANDゲートが2回路分搭載されています。ちなみに基本的な論理ゲートは先ほど説明した通り6種類存在するものの、実際にはNANDゲート1つで他の論理ゲートの機能を実現できるため、使用部品を減らしたい時は意識すると良いでしょう。

    フリップフロップ

    直前の入力を記憶する機能を持ったフリップフロップも汎用ロジックICに搭載される回路の1つです。ロジックICに搭載されるのはDフリップフロップ回路という種類が多く、具体的な動作としては、立ち上がりのクロック信号が入力されたタイミングで回路に入力されている論理値をそのまま出力し、クロック信号が変動しない場合、あるいは立ち下がりのタイミングでは出力を保持し続けます。代表的な製品型番としてはTC74HC74APやTC4013BPなどが存在し、TC74HC74APではクロック信号に関係なく任意の値を出力するためのクリアやプリセットなどの入力端子も用意されています。

    カウンタ

    フリップフロップ回路でも使用されるクロック信号は、名前の通り電子回路における時間の役割を担う数値であり、このクロック信号の数を数える回路をカウンタ回路と呼びます。カウンタ回路がカウントできるクロック数は回路の出力数に依存し、例えば2ビットカウンタであれば2進数の00から11までの4カウント、4ビットカウンタであれば0000から1111までの16カウントを数えることができます。ロジックICの型番によっては、クロック信号を加算していく数え方(アップカウンタ)だけでなく、クロック信号を減産していく数え方(ダウンカウンタ)に対応しているものもあります。

    シフトレジスタ

    複数のフリップフロップを接続した構成を持つシフトレジスタも、ロジックICに搭載される回路の1つです。シフトレジスタに対する入力はシグナル信号とクロック信号の2つで、出力信号は各フリップフロップから並列で出力され、その桁数はフリップフロップ回路の数と同じです。具体的な動作としては、立ち上がりのクロック信号が入力される度に1段目のフリップフロップ回路へシグナル信号が入力され、同時に各フリップフロップが後段のフリップフロップへと値を引き渡していきます。その動作内容から、シリアルパラレル変換や電光掲示板などの回路に使用されることが多いロジックICです。

    まとめ

    今回は論理回路を構築する上で欠かせない部品であるロジックICについて、基本的な内容を網羅的に解説してきました。内部回路の種類や数、駆動電圧、ピン数など様々な要素の違いにより非常に多くの種類が販売されているため、回路設計を行うときはメーカーが公開しているデータシートをしっかり理解して購入するよう心がけましょう。

    フリーランス×機電系エンジニア!高単価求人はこちら ▶
    ロジックICとは?種類・メリット・搭載される回路などを解説!のページです。エンジニアにまつわるお役立ちの最新情報を発信しています。電気電子設計や製造技術や機械設計・生産技術などはもちろん、 フィールドエンジニアやITシステム開発まで、機電系エンジニア業界での働き方や年収、話題性の高い情報を細かく解説しています。 また、当サイトではフリーランス機電系エンジニア求人をご用意しています。 気になるエンジニア求人があれば、ご応募ください。 フリーランスの機電系エンジニア求人 なら【フリーエイド】
    • TOP>
    • 記事一覧>
    • ロジックICとは?種類・メリット・搭載される回路などを解説!
    【貴重!】機電系フリーランス案件を見る
    【貴重!】機電系フリーランス案件を見る