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  • プリント基板の種類とは?硬さ・工程・構造・材質の4項目で解説!
  • プリント基板の種類とは?硬さ・工程・構造・材質の4項目で解説!

    2025.01.17更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    電子機器に欠かせない部品であるプリント基板。名前を聞いたことがある人は多いと思いますが、実は非常に多くの種類に分けられることをご存じでしょうか。今回はプリント基板の種類について、基板の硬さ、製造工程、プリント構造、使用する材質という4つの項目に分けながら代表的なものを解説していきます。

    プリント基板とは

    そもそもプリント基板とは、絶縁性が高い基板材料に配線などの回路パターンを印字したもののことです。プリント基板に抵抗やコンデンサ、各種半導体などの部品を搭載することで回路として機能します。一度回路パターンを設計してしまえば大量生産できるため、家電製品やスマホ、パソコンなどあらゆる電子機器において使用されている部品です。プリント基板と一口に言っても、基板そのものの硬さや製造工程、構造、組み合わせて使用する素材の違いによって様々な種類に分けられています。

    基板の硬さによる種類

    プリント基板は基板自体の硬さの違いにより、リジット基板、フレキシブル基板、リジットフレキ混合基板、メタルベース基板の4種類に大別されます。

    リジット基板

    リジット基板とは剛性に優れる絶縁材を使用した板状の基板の総称で、堅牢な機器の内部に基板を固定して使用するのが一般的です。絶縁体の組み合わせによってさらに細かい種類に細分化され、代表的なものとしてガラスエポキシ基板や紙フェノール基板などが挙げられます。基板自体に一定の厚みがあり曲げることができないものの耐久度が高いため、産業用機械やパソコン、家電など信頼性が求められる中規模以上の電子機器に多く使用されています。

    フレキシブル基板

    リジット基板に比べて基板自体が薄くて柔らかく、容易に曲げられるフィルム状のプリント基板をフレキシブル基板と呼びます。主にスマホやデジカメ、ウェアラブルデバイスなどの小型電子機器に使用されることが多く、立体構造や駆動部のある機器にも搭載できるのが強みです。リジット基板に比べると製造コストはやや高いものの、電子機器の小型化が進む現代において、活躍の場が広がっている基板でもあります。

    リジットフレキ混合基板

    名前の通りリジット基板とフレキシブル基板を組み合わせた構造のプリント基板を、リジットフレキ混合基板と呼びます。可動しない箇所にリジット基板部分を使用し、立体構造や可動する箇所にフレキシブル基板の部分を使用するなど、それぞれの基板の特徴を活かした設計が可能なため、医療機器や航空宇宙機器など複雑な構造の機器に搭載されることが多いです。またリジット基板とフレキシブル基板の接続部分にコネクタを使用する必要がないため、単にそれぞれの基板を組み合わせるよりもノイズに強いという特徴も併せ持っています。

    メタルベース基板

    アルミニウムや銅板などの金属上に絶縁層や導体層を重ねることで、放熱性能を高めたプリント基板をメタルベース基板と呼びます。主にLED照明用の基板として、LEDの発光によって生まれる熱を逃がす目的で使用されることが多いです。他にも電力用半導体の性能を最大限活かす目的や、高温環境や熱を発する半導体から保護する目的で使用されることもあります。なお絶縁層の材質や厚みによっても放熱性能が変わるものの、絶縁層が薄くなるほど耐電圧性能は低下するため、要求される性能を総合的に判断した設計が必要です。

    プリント基板の製造工程における種類

    プリント基板の製造工程では、製造工程のどの段階における基板かによって、PWB(Printed Wiring Board)とPCB(Printed Circuit Board)の2種類に分けられます。PWBは回路配線として導通する部分だけがプリントされた基板のことで、抵抗やダイオードなどの回路素子が印字されていないため、そのままでは回路として機能しません。一方のPCBは回路として動作する上で必要な素子や電子部品が全て搭載された状態の基板を指し、電子機器に組み込めば回路として使うことができます。

    プリント構造の違いによる種類

     

    プリント基板は回路構造の違いによっても、3つの種類に分けることができます。それぞれの特徴や利点にも触れながら解説していきましょう。

    片面基板

    プリント基板の回路構造の中で最もシンプルなのが、基板の片面に回路配線や素子が配列された片面基板で、一層基板と呼ばれることもあります。基板の片面しか利用してないため立体的で複雑な回路を構築することはできないものの、製造コストが安いのが利点です。用途としては、回路自体の小型化が求められない場合や、家電製品のように安価で大量生産が求められるような機器に多く採用されます。

    両面基板

    回路配線などを基板の両面に印字したものを両面基板と呼びます。片面基板と比較して単純に基板面積が2倍になっているだけでなく、基板上の小さな孔(通称ビアホール)を利用して立体的な配線を行うこともできるため、より複雑な回路を構築できるのが強みです。高い集積度や小型化が求められる製品の回路に向いているものの、現在では要求される性能が更に高まりつつあるため、この後解説する多層基板が複雑な回路基板の主流になりつつあります。

    多層基板

    絶縁層と導体層を交互に4段以上重ねた基板を多層基板と呼びます。回路配線の複雑さを減らしつつ高密度な配線を可能としたことで、これまで以上に複雑で高機能な回路をより小さな面積で実装できるようになりました。また信号クロストークや電磁干渉などの低減が期待できる上、信号伝達速度の向上などのメリットも得られるため、コンピュータなど特に高い性能が要求される電子機器などに使用されることが多いです。

    使用する基材と樹脂の違いによる種類

    最後に、プリント基板の絶縁材を構成する基材と樹脂の組み合わせの違いによる種類について、代表的なものを解説していきます。

    紙フェノール基板

    基材に紙を使用しフェノール樹脂を浸透させた基板が紙フェノール基板で、FR-1やFR-2、XPC、PP7Fなど様々な規格が用意されています。主に片面基板に使用され、コストが安価で加工がしやすいことから、家庭用ゲーム機や家電製品など様々な民生用電子機器に使用される基板です。但し耐久性や耐熱性、電気的特性や機械的特性には劣るため、信頼性が求められる電子機器には向いていません。

    紙エポキシ基板

    紙の基材にエポキシ樹脂を浸透させたのが紙エポキシ基板で、規格はFR-3とPE1Fなどがあります。紙フェノール基板に比べて絶縁抵抗性や耐熱性、吸湿性などに優れているものの、紙フェノール基板に比べると加工性が低いです。また性能面ではこの後説明するガラスエポキシ基板に劣る部分も多いことから、洗濯機や食洗機など吸湿性や絶縁抵抗性が求められる民生用電子機器に使用されることが多いです。

    ガラスエポキシ基板

    ガラス繊維を布のように編んだ基ガラスファイバーに、エポキシ樹脂を浸透させたのがガラスエポキシ基板です。FR-4やFR-5をはじめ様々な規格が存在し、製造コストの高さや加工性の低さなどの課題はありつつも、プリント基板の中で最も多く使用されています。耐久性や耐熱性、絶縁性、電気的特性など多くの性能が優れている上、寸法変化も少ないことから、パソコンやICカード、マザーボードなど高い信頼性が要求される電子機器に使用されることが多いです。

    ガラスコンポジット基板

    ガラスコンポジット基板は、ガラスファイバーと不織布を混ぜ合わせた複合基材にエポキシ樹脂を浸透させた基板です。CGE3FやCEM-3などの規格があり、日本ではセムスリーと呼ばれています。ガラスエポキシ基板に比べると寸法の安定性や機械的強度では劣るものの、電気的特性はほとんど同じでコストも安く、トラッキングにも強いことから、AV機器などそこまで高い信頼性が要求されない電子機器に使用されることが多いです。

    テフロン基板

    ガラスファイバー基材にフッ素樹脂を浸透させた基板をテフロン基板と呼びます。テフロン基板には絶縁性や化学的安定性が高く、吸湿もしづらい特性があるため、高い信頼性が要求される電子機器に使用されることが多いです。加工性が低く高価なうえ、工程に特殊な薬品を使用する必要があるものの、比誘電率や誘電正接が低いという利点もあるため、他の基板では誘電損失が発生してしまうような高周波基板に限定して利用されることが多いです。

    まとめ

    今回は電子機器に欠かすことのできないプリント基板について、様々な観点から多くの種類について解説してきました。今回紹介したもの以外にも多くの種類が存在しているので、気になる方はぜひ詳しく調べてみることをおすすめします。

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