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  • コンデンサの温度特性とは?具体的なパラメータや特性についても解説!
  • コンデンサの温度特性とは?具体的なパラメータや特性についても解説!

    2024.11.27更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    電子回路設計において欠かすことのできないコンデンサには、温度によって静電容量が変化する特性があるのをご存知でしょうか。今回はそんなコンデンサの温度特性について、注意すべき点を解説します。

    コンデンサとは

    そもそもコンデンサとは、電荷を蓄える性質を持った回路素子のことです。絶縁体を2枚の平行な電極板で挟んだ構造をしており、蓄えられる電荷量は電極間に印加する電圧や絶縁体の誘電率、電極の面積に比例し、電極間の距離に反比例する性質を持っています。

    コンデンサは、交流回路の力率改善やDAコンバータにおける平滑化、直流信号や周波数の低い信号を除去するハイパスフィルタなど、多岐にわたる用途があります。種類も形状や電極の材質に応じてセラミックコンデンサやアルミ電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、 など様々な種類がありますが、特に電子回路にはセラミックコンデンサが大量に使われています。

    コンデンサの温度特性

    このように、幅広い用途で活躍しているコンデンサですが、その静電容量は温度変化によって増減します。温度変化の内容は種類ごとに異なり、例えばアルミ電解コンデンサでは温度に比例して静電容量が増加する一方、セラミックコンデンサでは顕著に減少します。

    また、同じ種類であっても素材によって温度変化による影響が異なり、静電容量が変化しにくい対策品といったものも開発されています。そのため、どの部品を選ぶ際でも、製品ごとでの温度特性を見極めて設計を行う必要があります。

    セラミックコンデンサのCLASS分けとは

    コンデンサの種類ごとに影響度が異なるとお伝えしましたが、特に温度特性に注意しなければならないセラミックコンデンサでは、JIS規格や米国のEIA規格による分類が行われています。CLASS1とCLASS2の2種類があり、さらに使用可能な温度範囲や静電容量の変化率などの特性に応じた細かな規定がされています。このCLASS分けについて詳しく解説します。

    温度特性を表すパラメータ

    JIS規格やEIA規格では温度特性を表すパラメータとして、基準温度や温度範囲、温度係数、静電容量変化率などが使用されています。基準温度は基準となる静電容量値を示す時の温度のことで、JIS規格では20℃、EIA規格では25℃が採用されています。また温度範囲はコンデンサが規定通りの特性を示す温度の範囲で、実質的には使用可能な温度範囲と捉えて構いません。

    温度係数とは温度に対する静電容量値の傾きを表した係数のことで、単位には[ppm/℃]を使用します。温度係数が正の値であれば、温度の上昇に伴い静電容量の値は基準値より大きくなるのに対し、温度係数が負の値では温度上昇に伴い静電容量の値は基準値よりも小さくなっていきます。そして静電容量変化率とは、特定の温度範囲において基準の静電容量値からどれだけ変化するかの割合を示した数値のことです。

    CLASS1は低誘電率系

    静電容量が比較的少ない代わりに温度変化率が低く安定した特性を持つコンデンサはCLASS1に分類されます。酸化チタン系やジルコン酸カルシウム系の誘電体を使用した製品が多いです。EIA規格ではC0GやU2Jなどの特性が規定されており、C0Gだと温度係数が0で温度変化に対する容量変化がほとんどありません。またU2Jは温度係数が-750[ppm/℃]と負の値を持ち、温度上昇に伴い静電容量値は直線的に低下する特性を持ちます。

    CLASS1に該当するコンデンサは温度係数の値が安定しているため、データシート上では温度係数を用いて表記するのが一般的です。温度補償用と呼ばれることもあるように、主な用途としては温度補償用やフィルタ回路、発振回路、高周波回路などが挙げられます。

    CLASS2は高誘電率系

    主にチタン酸バリウム系の誘電体を使用し、静電容量の値が多い代わりに温度変化率が大きいコンデンサはCLASS2に分類されます。その静電容量変化率はEIA規格のX5RやX7Rの特性では±15%、X7SやX6Sの特性では±22%程度とCLASS1と比べて非常に大きく、最大で80%以上もの変化率を持つものもあります。

    CLASS1のコンデンサと違い温度によって温度係数の値も変化するため、データシート上では静電容量変化率を用いて特性を表すのが一般的です。主な用途としては平滑回路やバイパス回路、カップリング回路など、静電容量の変化が問題にならない回路が挙げられます。

    温度特性を持つコンデンサを適切に使用するコツとは?

    温度特性を持つコンデンサを適切に使用するために、設計者や使用者が心得ておくべきポイントも覚えておきましょう。回路の設計者であれば、用途に応じて適切なCLASSや特性のコンデンサを選定することが重要です。既に触れたようにCLASSによって適切な用途は異なる上、同じCLASSであっても細かい特性はコンデンサによって異なるため、データシートを十分に読んで適切な温度特性のものを選定しましょう。

    また設計者だけでなく使用者も気をつけるべきポイントとして、温度管理の徹底が挙げられます。コンデンサをなるべく温度変化の少ない環境で使用するのはもちろんのこと、他の回路素子や発熱源から離して設置したり、ファンなどを設けて排熱能力を高めたりと、安定した温度で使用する工夫を心がけましょう。

    まとめ

    今回はセラミックコンデンサにおける温度特性を解説しました。使用するセラミック材料によって静電容量変化率の値が大きく異なり、用途に応じて適切なものを選択する必要があることを理解できたのではないでしょうか。他のコンデンサについても知りたい方は、ぜひ詳しく調べてみることをオススメします。

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