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半導体産業で活躍するOSATとは?業務内容や重要性、今後の将来性などを解説!

                   

2026年4月26日更新

この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川
「FREE AID」編集部:長谷川

大手メーカー「コマツ」、「オムロン」などで7年間、アナログ回路エンジニアとして設計・評価業務に従事。
ECU、PLCなどのエレキ開発経験を多数持つほか、機械商社での就労経験も有する。
株式会社アイズ運営の機電系フリーランスエンジニア求人情報「FREEAID」専属ライターとして、
機電分野の知識と実務経験を活かし、専門性の高い記事執筆を行っている。

OSATとは?

OSATとは「Outsourced Semiconductor Assembly and Test」の略で、半導体チップのパッケージングや完成品のテストを請け負う企業のことを指します。OSATが請け負う業務は、ファウンドリ企業が担当する「前工程」と呼ばれるチップ製造と比較して、後工程とも呼ばれています。

OSATは特定の工程に特化している分、高度な技術や設備を保有しているのが特徴です。半導体メーカーの設備投資を肩代わりし、固定費削減に大きく貢献できることもあり、今や半導体メーカーにとって欠かせない企業となっています。

OSATが存在感を放つようになった背景

OSATが存在感を放つようになった背景

今でこそ半導体製造には欠かせない存在となったOSATですが、半導体業界で存在感を放つようになったのはここ20~30年ほどとなります。1980年代まではIDM、つまり半導体設計から製造までを半導体メーカー各社が行うスタイルが一般的で、半導体製造の委託という概念はほぼありませんでした。しかし、半導体の複雑さが増すのに伴い、製造に対する設備投資が非常に高額になったことで、各半導体メーカーが製造設備を揃えることに限界が生じ始めます。

そこで、半導体製造に特化したファウンドリと、半導体開発に専念するファブレス企業の分業体制が一般化することとなります。その際、ファウンドリは主に製造の前工程を担当し、後工程を外部企業に委託する動きが広がったことで、後工程を担うOSATが発展し、ファウンドリと協力して製造を行う流れが出来上がりました。これにより、OSATは半導体製造に欠かせない企業として存在感を放つようになりました。

OSATの業務内容

OSATの業務内容

それでは、実際にOSATがどのような半導体製造工程を担っているか、工程ごとに詳しく解説します。

半導体ウェーハの切り分け(ダイシング)

前工程を担当するファウンドリは、ウェーハ上に半導体回路を形成するまでの作業を行います。OSATはそのウェーハをファウンドリから受け取るので、まずはウェーハをチップごとに切り分ける必要があります。この工程のことを「ダイシング」とも呼びます。

ウェーハの切り分けは、ダイヤモンドブレードを使って物理的に切断するのが一般的です。ただ、ウェーハが欠けて不良品が生じるリスクがあるため、ブレードの形状を始め様々な箇所で不良を抑える工夫が行われているほか、レーザー光などを使った非接触のダイサーも開発されています。

半導体チップの配置・固定(マウンティング)

半導体チップが切り出せたら、パッケージ基板やリードフレームにチップを搭載し、固定する工程が続きます。チップを載せる工程をマウンティング、固定する工程をダイボンディングとも呼びます。マウンティング工程では専用のマウンターを用い、チップを寸分の誤差なく、かつ素早く搭載することが求められます。

また、ダイボンディングではチップの裏面に銀ペースト樹脂などを塗布して基板に固定します。塗布するペーストは振動などでチップが動かないようにするだけでなく、高い熱伝導性によりチップから発生した熱を効率よく逃がす性能も求められます。

半導体チップと基板の配線(ワイヤーボンディング)

半導体チップを固定したら、チップと基板を金属製のワイヤーで接続し、電気的に導通させる工程を行います。ワイヤーボンディングとも呼びます。ワイヤーには金が使われるのが一般的ですが、最近ではコスト削減のため、銅が使われることも増えています。

また、近年ではチップを反転させてマウンティングし、直接基板とチップを接続する「フリップチップ」が開発され、ワイヤーボンディング工程が省略される場合もあります。ワイヤーが不要になるぶん製造工程が簡略化でき、信号の伝送速度向上にもつながるため、特に最先端の半導体で用いられています。

樹脂による封止(モールディング)

最後に、半導体チップを外部環境から守るため、チップを樹脂で包む工程を行います。モールディングとも呼ばれます。樹脂は長期間にわたってチップを守れるよう、耐湿性や耐熱性、機械的強度などに優れた素材を選ぶ必要があります。エポキシ樹脂を用いるのが一般的ですが、他にもシリコーンやウレタン樹脂なども用いられます。

完成品の検査

ダイシングからモールディングまでを行い、半導体チップが完成したら、最後に製品の検査・試験を行い、品質を確認します。検査内容はチップを導通させて動作確認を行うのが中心ですが、半導体の微細化に伴いテストが複雑化し、テスト時間の長期化に加え、テストコストの増大も課題となっています。そのため、半導体検査装置メーカーにより精密かつ高速に検査できるテストシステムが開発され、活用されています。

チップレット技術によりさらなる活躍も

チップレット技術によりさらなる活躍も

このように、半導体製造工程の後工程を担う存在であるOSATですが、チップレット技術の台頭により、業務領域がより拡大され、活躍の幅が広がる可能性が期待されています。チップレットとは、今まで1チップで製造していた大規模な回路をあえていくつかのチップに分割し、インターポーザーと呼ばれる配線用の基板で接続する技術のことです。

一度に製造する半導体の規模を小さくすることで、複雑な回路の歩留まりを向上させられるメリットがあり、今後の半導体のさらなる複雑化を支える技術として期待されています。ここで、チップレット技術の実現には前工程と後工程、どちらの技術も必要であり、特に後工程における技術的な進化は重要視されています。

前工程と後工程の領域があいまいな「中工程」とも呼ばれる工程があることもあり、OSATとファウンドリ、どちらも事業拡大が実現できる可能性が残っています。チップレットは比較的新しい技術であり、まだまだ技術革新が進む余地が残っているため、今後OSATの活躍の幅が広がる可能性は大いにあるでしょう。

まとめ

今回は、半導体製造企業の一つであるOSATについて解説しました。OSATは、半導体製造のうち、半導体チップのパッケージングやその後の完成品テストなどを請け負う製造企業の総称です。半導体における製造・開発の分業体制が一般化したことにより、今や半導体製造においてはファウンドリと同様に欠かせない存在となっています。

また、チップレットの実現においてOSATの技術領域が重要視されていることもあり、今後活躍の幅がさらに広がることも期待されています。気になる方はぜひ技術動向を注視してみてください。

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