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  • 時間管理に必須のリアルタイムクロックとは?使い方や原理も解説!
  • 時間管理に必須のリアルタイムクロックとは?使い方や原理も解説!

    2024.08.20更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    家電やパソコンなどの電源を落としていたにも関わらず、内部の時計が狂っていないことに疑問を抱いたことはないでしょうか?実はこれらの現象はリアルタイムクロックと呼ばれる専用ICによって実現しており、ユーザー側でバックアップ電源を用意したり、原理上発生する時間のズレの補償を考えることなくシステムの内部時間が測定できます。

    そこで今回はリアルタイムクロックと呼ばれるICについて、使うメリットや時間測定の原理、活用事例などを網羅的に解説していきます。

    リアルタイムクロックを使用するメリット

    リアルタイムクロックは時間を測定することに特化した専用ICですが、単なる時計機能のためだけに専用ICを使用する理由が分からない人も多いのではないでしょうか。そこで、リアルタイムクロックをシステムに導入する3つのメリットを解説していきます。

    電源や通信環境がなくても時間を刻んでくれる

    まずリアルタイムクロックを使用するメリットとして挙げられるのは、システムの電源が切れている状態でも外部と通信することなく時間が測れる点です。当たり前ですが機器やシステムが生きている状態で時計機能を実現するのは難しいことではありません。

    しかし本当の意味で時計として動作するには、電源が切れている間やスリープ状態でも正確な時間を測定し、電源を付けたときに現実の時間に対応した動作が得られるべきです。また電波時計のように外部から最新の時間を得る時計とも異なり、例え通信が遮断されても狂わずに時間測定することも要求されます。リアルタイムクロックはそもそも電源や通信が途絶えた状態でも動作することを前提にしたICであるため、ユーザーは電源や通信の環境を考えることなく使うことができます。

    消費電力が非常に小さい

    リアルタイムクロックを用いる2つ目のメリットとして、時間測定の機能を汎用ICを使って構築する場合より消費電力が抑えられる点も挙げられます。リアルタイムクロックは比較的高機能な時計機能を持つ専用ICのため、同等の機能をマイコンなどの汎用ICを使って構築しようとすると消費電力が大きくなってしまい、長期間の安定駆動のためにわざわざ専用バッテリーを外付けで用意する必要があります。

    一方、リアルタイムクロックであれば、コイン電池1つで数年から十数年動作するものや、電源が二重化されていて片方のバッテリーが無くなると警報で知らせてくれるものがあるため、ユーザーが細かく電池残量を管理したり一定周期でバッテリー交換する煩わしさから解放されます。

    開発に組み込みやすい

    最後のメリットとして、リアルタイムクロックは既に基本的な計時機能が備わった専用ICとして完成しているため、各システムに容易に組み込める点も挙げられます。多くのリアルタイムクロックには、外部のシステムとのI/Oインターフェース、閏年を補正する機能、時間や日付表記の互換性など、システムに組み込む時計として必要な機能が多く備わっています。

    そのため、わざわざシステムのニーズに合わせてユーザー側で拡張機能を用意する必要はなく、売られているICをそのまま使うことができます。また暦についても100年先までプログラミングされているものが多いため、過去の2000年問題のようなシステムトラブルを恐れる必要もありません。

    リアルタイムクロックの仕組み

    リアルタイムクロックの正確な時間計測には発振回路と水晶振動子が欠かせません。水晶振動子は圧電効果を持った素子のことで、圧力をかけると電圧が、電圧をかけると周期的な振動が発生します。水晶振動子によって得られる周波数は水晶の成形方向によって異なるため、所望する周波数となるよう成形を工夫したり、周波数分割回路によって周波数を調整することで基準クロックパルスを生み出せるようになります。

    そして、水晶振動子へ安定した電圧を印加したり、水晶振動子が生み出す高精度な周波数信号の増幅に使用されるのが発振回路です。これらを組み合わせれば特定の周波数で共振出力が得られる水晶発振器となり、リアルタイムクロックに必須の正確な時間測定が実現します。

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    リアルタイムクロックの活用事例

    外部電源や通信環境がなくとも現実の時間を正確に測定できるリアルタイムクロックは様々な用途で使用されます。具体的には各電子機器の時計やカレンダーとしての機能、電子機器のソフトウェアを監視するウォッチドッグタイマー、一定の時間経過により電源を切り替えるタイマー機能などが挙げられます。ここからは実際にリアルタイムクロックが活用されている機器にも着目しながら、より具体的に解説していきます。

    家電

    身の回りの家電には、リアルタイムクロックが必ずと言っていいほど使用されています。具体的な用途としては、家電のモニターなどに時計やカレンダーを表示させたり、エアコンや炊飯器などのタイマー機能に利用されます。人によっては節電目的で使わない家電のコンセントを抜いておいたり、電源を切っておくことがあるでしょう。

    多くの家電で電源がなくなっても内部時計やカレンダーが狂わないのはリアルタイムクロックのおかげであり、省電力性能に優れているため一般的な家電の保証期間内であればバッテリーが切れる心配もありません。

    防犯

    リアルタイムクロックは防犯目的で使用する監視カメラやセキュリティシステムの内部時計としても役に立ちます。例えば店舗や工場に設置されて24時間使う監視カメラであれば、撮影した時間帯の情報が重要な役割を持つため、何らかのシステムエラーや電波障害が起こっても撮影時間を正確に測れるリアルタイムクロックが重宝されます。

    また、携帯型の小型監視カメラであれば、少ないバッテリーで監視カメラとしての性能を有する必要があるため、やはり省電力なリアルタイムクロックが好まれます。更に大掛かりな防犯システムで時間を測る場合、少しでもシステム障害のリスクを減らすため外部との通信を最小限に抑える必要があります。こんなとき、スタンドアローンで動作するリアルタイムクロックであれば、セキュリティ性能に悪影響を及ぼす心配もありません。

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    まとめ

    今回はパソコンやスマホ、家電、ゲーム機など様々な電気機器に使用されるリアルタイムクロックについて、使用メリットや仕組み、代表的な活用例などを解説してきました。単なる時計と軽視しがちですが、少ない電力で長時間高精度な時間測定ができることで意外にも多くのメリットがあることが分かった人も多いのではないでしょうか。身の回りの電子機器に多く利用されているため、気になった方は是非探してみることをオススメします。

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