アクチュエータとは?電動や油圧など種類別の仕組みを分かりやすく解説!
2024.08.20更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶機械的な動作を行う上で、欠かせない存在である「アクチュエータ」。目に見えない所で使われているため、その重要性とは裏腹に、どのようなものかを知らない方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、アクチュエータの基本知識を始め、各種アクチュエータの仕組みと特徴を解説します。
アクチュエータとは
アクチュエータは、エネルギーを受け取り、それを物理的な動きに変換する機器です。駆動部のある機械には必ずアクチュエータが使われるため、昔から私達の暮らしに無くてはならない存在となっています。アクチュエータの歴史は古く、船舶や建設機械、鉄道など、人力では動かせない大きな機械を制御するために開発されたのが始まりです。当初は油圧式が主流でしたが、パワーエレクトロニクスの発展によって電動式のアクチュエータが普及し、今ではほとんどの用途で主流となっています。
アクチュエータの種類と仕組み
それでは、特に最近用いられているアクチュエータの種類と、その仕組みを紹介します。
油圧アクチュエータ
潤滑性のある作動油を使い、動力を伝達するアクチュエータのことです。制御弁を開閉して作動油の流量や圧力を制御することで、操作通りの動作を行います。大きな力やトルクを出力できるのが特徴で、小型化が容易で応答性もいいなどの特徴もあることから、産業機器や建設機械などで古くから用いられています。
電動アクチュエータと比べると精密性などで劣り、汎用性も低いですが、耐環境性や耐衝撃性にも優れるため、ロボットなどでも一部使われています。
空気圧力アクチュエータ
空気圧を使って動力を伝達するアクチュエータです。コンプレッサーなどで空気を圧縮し、その圧力をエネルギー源として使います。コンプレッサーと圧縮空気を流すパイプさえ用意すれば、どこでも手軽に機械を動かせるのがメリットです。
また、電気を流すと危険な場所や発熱を避けたい場合など、特殊な環境下でも空気圧力アクチュエータが活躍します。他にも、電車のドアや歯医者のドリルなど、暮らしの中でも身近に存在しています。
電動アクチュエータ
電力を動力に変換するアクチュエータです。非常に精密な制御が可能なことを始め、性能面でメリットが多いことから、主流のアクチュエータとして使われています。電動アクチュエータは機構によってさまざまな種類がありますが、最もよく使われるのは下記の3つです。
ピエゾアクチュエータ
電気を与えると物質が変形する「ピエゾ効果」を利用して動作するアクチュエータです。変形量が非常に小さいため微細な操作にしか使えませんが、サブナノメートル単位での制御が可能で応答速度も非常に速いため、精密位置決めや微細振動用途で使われています。
また、摺動部品がなくコンタミが発生しないので、クリーンルームや真空環境下、人体内部などで動く機械で使うのにも適しています。
サーボモーター
誤差を補正して高精度な操作を行う「サーボ機構」を用いて動作するアクチュエータです。高度な制御が可能で応用の幅も非常に広いことから、特に産業用途で幅広く用いられています。一方で、精密性を高めるために複雑な構造となっていることからコストが高く、負荷変動が起きた際、補正にある程度の時間がかかるといった欠点も持っています。
電磁アクチュエータ
電磁石やコイルなどで発生させた磁力を動力とするアクチュエータです。代表的な例はソレノイドやモーターなどで、油圧や空力より高速・高精度な制御が行えるため、一般的な機械駆動用途で非常に多く用いられています。また、リニアモーターも電磁アクチュエータに含まれます。
超音波モータアクチュエータ
圧電素子に高周波電流を流し、素子が伸縮することで生まれる振動を動力に変えるアクチュエータです。低速で高トルクを発生させられるほか、小型化が容易で静粛性に優れ、ノイズも発生させないといった特徴があります。摩擦力を使うため耐久性は低いですが、カメラのオートフォーカス機能や電子デバイスのバイブレーションなどに使われています。
化学式アクチュエータ
化学式アクチュエータは、「ATP合成酵素」など、生物の体内で化学反応を動力としモーターとして動く物質を使ったアクチュエータです。非常に高いエネルギー変換効率を持つことから、より高性能なアクチュエータが作れると期待されており、研究が盛んに行われています。現在は研究段階であり実用化にはまだ時間がかかりますが、将来的には機械を大きく進化させる存在となっているかもしれません。
まとめ
今回は、アクチュエータの種類や仕組み、用途などについて解説しました。アクチュエータはさまざまな物質を介してエネルギーを受け取り、動力を生み出す装置のことです。近年は電動式のアクチュエータが主流ですが、油圧や空力など昔ながらの方式も根強く使われています。また、生化学式などの新しい方式により、より高性能な製品を作る研究も盛んに行われており、さらなる進化も期待されます。
今回お伝えした仕組みを参考に、ぜひ身近にある製品でどのようにアクチュエータが動いているのかイメージしてみて下さい。
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