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  • ムーアの法則とは?歴史や限界説も含めわかりやすく紹介!
  • ムーアの法則とは?歴史や限界説も含めわかりやすく紹介!

    2024.08.20更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    「ムーアの法則」という法則を耳にしたことはあるでしょうか?半導体の集積率について謳った経験則のことですが、半導体業界の将来予測に使用されたり、レイ・カーツワイル氏が著作「シンギュラリティは近い」で否定するなど、非常に話題性の高い法則でもあります。今回はそんなムーアの法則について、法則の具体的な意味合いや今後の動向に着目して解説していきます。単なる経験則ながら驚きの精度で半導体業界の未来を予測している法則なので、興味のある方はぜひ最後まで読んでみてください。

    ムーアの法則とは

    ムーアの法則とは、「半導体の集積率が24か月(2年)で2倍になる」ことを示す経験則のことです。集積回路が発明された1950年代に、インテル社の創業者の一人であるゴードン・ムーア氏によって提唱されたことから名付けられました。

    当初は論文の中で半導体の成長率を予測した内容に過ぎませんでしたが、法則に従って実際に半導体業界が成長していくにつれ、大きな影響力を持つようになりました。また、知名度が上がるにつれ、企業や研究機関にとって一種の目標値的な意味合いも持つようになったため、半導体業界の目覚ましい発展を促す立役者としても存在感を放っています。

    ムーアの法則の詳細な内容

    実は、ムーアの法則は年代によって成長率が異なるほか、修正も行われています。どの内容が現在の状況に当てはまるかが混同されがちなので、内容の変遷も含めてムーアの法則の詳細に触れておきましょう。

    まず、ムーア氏は1965年に半導体業界の成長を調査した時、半導体の集積率が12ヶ月で2倍になっていることを発見したことから、短期的には同様の成長(1年で2倍)が続くと予想します。ただ、長期的には集積率の増加度合いが不明確になることから、直近10年間は18ヶ月で2倍のスピードで集積率が上がり続けるだろうと提唱しました(18ヶ月で2倍説)。

    また、論文を提出した10年後の1975年には、過去10年のデータを再度分析し、半導体の集積率は24ヶ月で2倍になると修正を加えます(24ヶ月で2倍説)。その後は約50年にわたって再修正が行われることなく、今でも同じ基準で進化が起きるという予測になっています。

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    ムーアの法則の影響と実績

    詳細でお伝えしたように、ムーアの法則は単なる経験則から得られた予測であり、何の理論的な根拠もありませんでした。しかし、半導体技術の進歩を定量的に示したからか、50年以上にわたって現実の集積度が予測通りに進化を続けることとなります。

    2010年頃には10%弱程度だったスマホの普及率が10年後の2020年には87%弱と大幅に普及したのも、単なる時の運ではなくムーアの法則に起因する性能向上と価格低減、および業界全体の目標意識が後押ししたと考えられます(普及率は総務省「通信利用動向調査」より引用)。

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    ムーアの法則終焉説を唱える人が増えている

    実際の半導体市場の急速な成長を予測してきたものの、最近では半導体製造技術が限界を迎え、ムーアの法則は終焉を迎えたと唱える人も少なくありません。また、法則を唱えたゴードン・ムーア自身も2005年のインタビューで、ムーアの法則は長くは続かないだろうと予測しています。このムーアの法則終焉説について、終焉説と継続説の両方を解説していきます。

    ムーアの法則終焉説

    昨今の半導体素子製造技術は目覚ましく、ついには原子レベルのサイズも開発されてしまったため、これ以上の集積率を実現するのは物理的に不可能だと述べる人が増えています。また、原子レベルサイズになったことで、トランジスタの特性のバラつきやリーク電流も無視できなくなり、これらを全て解決して発展するにはまだまだ時間が掛かると予想する人も少なくありません。

    世界レベルで見ても、米国半導体工業会(SIA)が2015年にムーアの法則は2021年に終焉する、と発表するなど、ムーアの法則が近い将来に終焉を迎えると唱える有識者が後を絶ちません。

    ムーアの法則継続説

    ムーアの法則の終焉説を唱える人が多い一方で、当面はまだまだムーアの法則は有効だと唱える人も少なくありません。例えばこれ以上の集積化は物理的に不可能だという説に対しては、これまで平面的に構成していた集積回路を三次元的に縦方向へ集積することで解決しようとする試みが成されています。

    また、2022年初頭には半導体業界最大手の製造会社「台湾積体電路製造(TSMC)」が、前年の4割増となる5兆円もの設備投資を行い、世界最先端となる2nmオーダーの半導体素子の製造に着手することも発表しています。先行きは不透明ながらもムーアの法則は続き、これまでと同程度の速度で技術が発展する可能性も十分にあります。

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    まとめ

    今回は、半導体業界の成長を50年以上にわたり驚異的な精度で予測し続けた「ムーアの法則」について解説しました。半導体業界では誰でも知っているような法則でありながらも、昨今の目覚ましい技術進歩によって終焉説も出始めるなど、まだまだ注目度の高い法則です。今後の技術進歩を測る指標の一つであり、覚えておいて損はない知識なので、しっかりと理解して業界の動向に注目していきましょう。

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