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スマートシティとは?基本的な定義と日本の取組状況を解説!

2023.10.09更新

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この記事を書いた人

機電系専門ライター Div.長谷川

長谷川

FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

未来の街づくりとして注目を浴びているスマートシティ。名前こそ良く聞くようになってきたものの、実際にどのような変化が生まれるのかご存じない方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、スマートシティの基本的な定義から、官民を挙げて行われている取り組み、使われる技術などを分かりやすく解説します。

スマートシティの定義

まずはスマートシティの定義について解説していきましょう。内閣府では、以下のようにスマートシティを定義しています。

ICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場

出典:内閣府ホームページ

Society 5.0とは、IoTやAIなどの最新デジタル技術を用いることで、経済発展と社会的課題の解決を両立し、人々の暮らしの最適化を実現する社会のことを指します。この定義をより簡単にまとめると、デジタル技術を活用して、高齢化などで生じる社会問題を乗り越え、より豊かな生活を送れるようにするのがスマートシティです。

スマートシティが注目される理由

スマートシティが注目される理由は、ハードウェアを整える従来の都市計画では難しかった社会問題を解決できる可能性を有しているからです。従来は、建物や道路など、都市計画が中心となり、人々は都市の形に合わせて暮らしの形を変えていく形だったので、社会の変化に都市が柔軟に対応できないという問題がありました。

しかし、スマートシティが実現すれば、人口の増減やニーズの変化に合わせて都市の最適化が進むため、人々はさらなる安心・安全を得られ、より良い暮らしが送れるようになります。また、交通渋滞の解消、効果的な節電、各種サービスの効率化や無人化などを通して経済活動の最適化が図られ、経済成長につながることも期待されています。

政府が主導するスーパーシティ構想

引用:内閣府「スーパーシティ」構想について

このように、スマートシティにはさまざまなメリットがあるため、世界中の都市でスマートシティ実現に向けた施策を行っています。日本でも政府が主導し、各都市のスマートシティ化を進めていますが、その施策の一つが「スーパーシティ構想」です。

「住⺠が参画し、住⺠⽬線で、2030年頃に実現される未来社会を先行実現すること」を目的とし、2020年に始動しました。2022年3月には、茨木県つくば市、大阪市の2都市がスーパーシティ特区として内定し、インターネット投票の開始、国際医療の体制づくりなど、数多くの分野において、スマートシティ化を計画・推進している最中です。

また、高齢化や過疎化が進む地方においてデジタル技術を活用する「デジタル田園健康特区」の制定も、スーパーシティ構想の一つとして行われています。こちらは、人口減少・少子高齢化への対策に特化してスマートシティを構築する取り組みです。

現在は、吉備中央町(岡山県)、茅野市(長野県)、加賀市(石川県)が内定しており、医療を中心としてデジタル化が進んでいく予定です。

スマートシティ官民連携プラットフォーム

スーパーシティ構想は都市を巻き込んだ実践型の施策ですが、「スマートシティ官民連携プラットフォーム」という、官民問わずスマートシティを推進する団体が連携し、開発を加速させるためのプラットフォームも用意されています。

こちらは2019年に内閣府、総務省、経済産業省、国土交通省が発足させた基盤で、企業や大学・研究機関、地方公共団体、関係府省等が会員として参画しており、以下の4つの活動を行っています。

スマートシティ関連事業の推進・支援

最も重要な活動は、スマートシティ事業の推進・支援です。各府省がさまざまな支援メニューを用意しており、資金面のサポートを行います。ノウハウ面のサポートも行っており、各府省が一体となって支援を行う仕組みが構築されています。

分科会の開催

スマートシティ事業において各会員が共通の課題を抱えている場合、解決策を検討するために分科会を開催するのも活動内容の一つです。既に下記のようなテーマで複数の分科会が開催されており、プラットフォーム内で活動報告書が公開されています。

  • ・物流分野の効率化・省力化
  • ・観光型MaaSの発展
  • ・スマートシティのセキュリティ・セーフティ

団体間の情報共有・マッチング支援

プラットフォームに参加する企業や大学、研究機関、地方自治体の情報共有を加速させるのも重要な役割です。スマートシティ実現に向けた実施体制の強化や、技術の横展開を促進することを目的として、各種団体のマッチングを行います。

企業と地方公共団体によるコンソーシアムの形成や体制強化、モデル事業の横展開などが想定されるマッチングの形です。

普及促進活動

スマートシティ事業で行った取組の普及や、事業で得られた技術の横展開を進めるため、国内外への普及促進活動も行っています。各種会議を開催して有識者による講演や取り組み状況の発信を行っているほか、メールマガジンやホームページを介した情報共有も実施しています。オンラインセミナーも定期的に開催しており、アーカイブがホームページから閲覧可能です。

スマートシティを支えるテクノロジー

最後に、スマートシティを実現するうえで欠かせない5つの技術を紹介します。

センシング技術

まず、スマートシティを作り出すためには、都市や社会に関する情報を取得するセンシング技術が必要となります。インフラの保全や災害の事前検知、気候の変化や人・車の動きの変化など、今までは得られなかった情報をリアルタイムに取得することで、新しい価値を生み出します。

センシング技術として代表的なのはIoTです。あらゆるモノがインターネットに繋がることで、都市にかかわる大量のデータが取得可能になります。

通信技術

センシング技術の発展によって大量の情報が得られると、その情報を伝送する通信技術も重要となります。通信技術において期待が集まっているのは5G通信です。5G通信が実現すれば、今までにない大容量・低遅延、同時接続可能なネットワークが構築されます。すると、データ通信量の増加、リアルタイム性の向上が実現できるため、データ活用の幅は一気に広がります。

データ分析技術

ビッグデータの活用においては、データを意味のある情報に変換するデータ分析技術も欠かせません。特に、人力では整理が難しい膨大なデータを自動分析できることから、AIや機械学習に注目が集まっています。AIを活用してビッグデータを分析する技術はデータサイエンスと呼ばれており、データから今まで見いだせなかった新しい価値を創造できるとして研究が盛んに行われています。スマートシティだけでなく、製品やサービスの向上、売上予測と改善案の策定など、企業の経営戦略においても需要が非常に高いです。

データ可視化技術

データ分析の結果を見た際、数字の羅列ではどんな意味があるか一目で分からないため、データを人が分かりやすいように作り変えるデータ可視化技術も重要です。表やグラフにまとめるのはもちろん、VR(仮想現実)やMR(複合現実)を用い、バーチャル空間で再現するなどの高度な技術も開発が進んでいます。新しい施策を行った際の変化をシミュレーションで予測し、見える化するなど、データ活用の可能性が広がる技術です。

自動化技術

ビッグデータをもとに改善活動を行う上では、自動化技術が大きな役割を果たします。機械による作業の効率化が図れるほか、人を危険や手間のかかる作業から解放できるのが特徴です。スマートシティへの適用例として代表的なのは自動運転技術です。実現にはまだ時間がかかりますが、都市での暮らしを一変させる可能性があります。

センシングや通信技術と組み合わせることで、遠隔地からの監視や操作も可能となるので、いずれ農業や工場の無人化などといった未来技術も実現するでしょう。

まとめ

今回は、スマートシティの定義や現在行われている取り組み、スマートシティを実現する上で重要なテクノロジーについて解説しました。スマートシティはデジタル技術を活用することで、都市における私たちの暮らしをより良くできる取り組みのことです。

近年始まった取り組みであり、まだまだ発展途上ではありますが、ビッグデータの活用や自動化技術の発展により、私たちの暮らしを一変させる可能性があります。今後の官民を挙げた取り組みに注目しましょう。

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