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  • ソルダーレジストとは?目的・種類・塗布方法まで網羅的に解説!
  • ソルダーレジストとは?目的・種類・塗布方法まで網羅的に解説!

    2025年5月10日更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    様々な電気機器に使用されているプリント基板ですが、プリントされた回路の耐久性や絶縁性を保つには、ソルダーレジストと呼ばれる保護膜が欠かせません。今回は、そんなソルダーレジストについて、意味や目的、種類、塗布する方法などを網羅的に解説します。専門的な知識がなくとも理解できる内容となっているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

    ソルダーレジストとは

    ソルダーレジストとは

    ソルダーレジストとは、プリント基板の表面を保護する目的で使用されるインキのことです。一般的に、プリント基板といえば緑色のものを思い浮かべる人も多いと思いますが、あの緑色の物質こそがソルダーレジストの正体です。ちなみにソルダーには「半田(はんだ)」、レジストには「抵抗」という意味があり、ソルダーレジストを直訳すると半田に抵抗するもの、という意味となります。ソルダーレジストには他にも、半田マスクやソルダーマスク、半田レジスト、グリーンレジストなどの呼び名もあります。

    ソルダーレジストが緑色の理由

    ソルダーレジストが緑色の理由

    ソルダーレジストといえば緑色が主流ですが、実は色に関する規定等はなく、赤や白、黒、青、黄色のソルダーレジストも存在します。ではなぜ緑色が多く使われているのか、採用され続ける理由を解説します。

    視認性が良く目にも優しい

    1つ目の理由として、目視検査における視認性の高さと目への刺激の少なさが挙げられます。半導体の目視検査は製品不良を見つける重要な工程であるため、可能な限り欠陥を見つけやすいのはもちろんのこと、作業者の目に負担を掛けない環境も整えなくてはなりません。緑色は金色の銅線や白色の印字との見分けがつきやすく、目に与える刺激も少ないことから、多くの基板で緑色のソルダーレジストが採用されています。

    流通量が多い

    昨今、目視検査の実施者は人間から機械に代わりつつありますが、緑色のソルダーレジストが依然として使われ続ける理由として、流通量の多さが関係しています。流通量が多いほど生産や輸送にかかるコストが抑えられるうえ、製造技術やノウハウも蓄積されているため、緑色を使い続ける製品が多いのです。ちなみに最近では、LED光が見えやすくなるよう黒色を採用したり、光の乱反射を防ぐために白色を採用する基板もあるため、色の異なる基板があれば、理由を気にしてみるのも良いでしょう。

    ソルダーレジストを使用する目的

    ソルダーレジストを使用する目的

    続いてソルダーレジストを基板に塗布する目的について、3つの観点から解説します。

    余分な半田(はんだ)による悪影響を抑制する

    ソルダーレジストには、半田による悪影響を防ぐ目的があります。そもそも半田とは、プリント基板上に抵抗やコンデンサなどの回路素子を接合する際に使用する合金のことで、半田ごてで300℃程度まで熱せられた状態で接合に使用します。過剰に塗布された半田が接合部からはみ出ると、隣接する接合部や回路配線と短絡する恐れがありますが、ソルダーレジストには半田を弾く性質があるため、過剰な半田が接合部以外に拡がるリスクが抑えられます。また、ソルダーレジストには耐熱性の高いエポキシ樹脂が含有されているため、万が一接合部から半田がはみ出たとしても、プリント基板自体がダメージを受けるリスクも抑えられます。

    回路パターンの絶縁性を保つため

    ソルダーレジストには回路パターンの絶縁性を保つ目的もあります。ソルダーレジストが塗布される前のプリント基板では、回路パターンが全て剥き出しとなっているため、ほこり等の接触によって短絡するリスクが非常に高いです。特に、回路パターンの微細化が進む昨今では、配線同士が物理的に近接するため、従来よりも大幅に短絡リスクが高いと言えます。そこで、回路素子との接合部以外をソルダーレジストによって覆うことで、回路パターンの絶縁性を高めることができます。

    湿気や熱による基板劣化を防ぐため

    ソルダーレジストには回路パターンの劣化を防ぐ目的もあります。一般的にプリント基板の金属部分は、周囲の温度変化や湿度の存在によって早く劣化が進行するため、ソルダーレジストによって保護することで、基板の劣化を防げます。なお、ソルダーレジストに僅かにでも亀裂や剥がれが生じると外気の侵入を許して急速に劣化が進行するため、振動や熱変化などが激しい環境で使用する回路の場合、適切な材料のソルダーレジストを使用しなくてはなりません。

    ソルダーレジストの種類

    ソルダーレジストの種類

    一口にソルダーレジストと言っても、レジストの種類やレジストを塗布する方法の違いにより、大きく3種類に分類されます。それぞれの特徴にも触れながら解説していきましょう。

    最も有名な液状エポキシソルダーレジスト

    ソルダーレジストを塗布する方法の中で最も広く知られているのが、液状エポキシソルダーレジストです。液状のエポキシ樹脂が加熱によって硬化する熱硬化性を持っていることを利用し、カーテンコーターなどの方法を用いて液状エポキシを塗布したのち、加熱工程を経ることでソルダーレジストを硬化させます。また染料で着色した液体エポキシ樹脂を使用すれば、任意の色のソルダーレジストを作ることも可能です。

    より高精度な液状感光ソルダーレジスト

    加熱方式よりも精度が高い方法として知られ、加熱する代わりに紫外線露光によってエポキシを硬化させる方法が液状感光ソルダーレジストです。液状のレジスト樹脂を基板上に塗布するまでは同じですが、写真のネガフィルムのように必要部分にだけ紫外線を露光することでレジストを硬化・現像します。また、半田付けの接合部などソルダーレジストが不要な部分は現像せずに除去します。

    液状樹脂を使用しないドライフィルム感光ソルダーレジスト

    液状樹脂を使用せず、真空ラミネートと呼ばれる方法を用いてフィルム上の感光剤を貼り付けるのがドライフィルム感光ソルダーレジストです。感光剤を貼り付けた後は液状感光ソルダーレジストと同様、紫外線露光によって硬化・現像を行いつつ、不要部分も除去します。ちなみに真空ラミネートとは、貼り付け対象とフィルムをそれぞれ真空環境下に置き、ダイヤフラムを用いてフィルムを均一に加圧して貼り付ける技術のことで、気泡やしわが生じないのが特徴です。

    まとめ

    今回はプリント基板に欠かせないソルダーレジストについて、塗布する目的や種類、塗布する方法などを解説しました。記事内でも触れたようにソルダーレジストといえば緑色と思う人も多いと思いますが、実際には他の色のレジストも存在するため、身の回りのプリント基板に注目してみるのも面白いでしょう。

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