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  • 熱電対とは?特徴や原理、種類ごとの違いを紹介!
  • 熱電対とは?特徴や原理、種類ごとの違いを紹介!

    2024.08.20更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    新製品の試作を評価する時、温度測定でほぼ必ず使われる熱電対。その詳しい原理や、なぜ使われているのかを知りたい方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、熱電対の仕組みや特徴、種類ごとの性能の違いなどに着目して解説します。

    熱電対の原理

    引用:キーエンス株式会社

    熱電対は、異なる金属のケーブルを2本合わせ、片方を溶接したシンプルな温度センサーです。温度の測定には「ゼーベック効果※」を利用しており、溶接した点とケーブルの両端との温度差を熱起電力として検知するのが原理となっています。

    ※ゼーベック効果:2つの異なる金属線を接合させると、金属線の両端に生じた温度差に比例して電圧・電流が発生する現象

    温度を測定する時は、溶接した部分を測定対象に貼りつけ、反対側の端部を計測器に接続します。すると、溶接部分は測定対象の温度に、反対側は室温になるため、これらの温度差に応じてケーブルに電流が流れ、温度差が測定できます。

    ちなみに、熱電対は温度差に応じて電流が流れるため、単体では絶対的な温度を測ることはできません。そのため、熱電対を途中で0℃の氷水に入れる「冷接点補償」か、測定器側で別途基準温度を測定する「基準接点補償」のどちらかで補正を行います。冷接点補償の方がより正確な補正が可能ですが、設備を用意するのが大変なことから、一般的には基準接点補償が採用されています。

    熱電対の特徴

    続いて、熱電対のもつ特徴を解説していきましょう。

    測定温度範囲が広い

    熱電対は、単純に金属のみを用いて作られるため、金属が耐えられる温度であれば、極低温から超高温まで非常に広い温度範囲で使用できます。金属が侵される特殊な環境では使えませんが、一般的な用途であればどんな測定にも対応できるので、非常に使い勝手がいいのが特徴です。

    低コストで簡単に使える

    もう一つの特徴は、コストの低さと手軽さです。熱電対は測定器さえあれば、あとは溶接された金属を用意するだけで簡単に作れます。また、一部の素材以外は安価な金属で作れるため材利用費も安くすみ、貼りつけることさえできれば場所も取らないので設置も容易です。

    接触させないと温度が測れず、溶接部分が切れると使えなくなるなどの短所もあるため、乱雑に扱う用途には向きませんが、メーカーにおける温度試験などでは非常によく使われます。

    精度は測温抵抗体に劣る

    熱電対は温度センサーの中でも高い精度を誇りますが、測温抵抗体と比べると精度が低いです。特に0℃や室温などの基準温度付近では誤差が大きくなる傾向があります。測温抵抗体であれば、200℃以下にしか対応していない分、どの温度帯でも0.1℃単位での精度を持っているため、熱電対では対応できない用途では使い分けを行うことが多いです。

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    熱電対の種類

    引用:デュージャパン株式会社

    熱電対は、使用する金属の種類ごとで特性が変わります。そのため、測定温度や精度が高い材質がピックアップされ、JIS規格として登録されています。ここでは代表的な種類を7つ紹介します。

    B熱電対(0~1500℃)

    陽極側、負極側共に白金ロジウム合金(陽極はロジウム含有量30%、負極は6%)を使って作られる熱電対です。最も高温で使える熱電対で、1500℃までの超高温領域に対応しており、短時間であれば1700℃まで使用できます。

    R/S熱電対(0~1400℃)

    陽極側に白金ロジウム合金を、負極側に白金を用いて作られる熱電対です。B熱電対には劣るものの、1400℃までの超高温領域の測定が可能で、短時間なら1600℃まで使用できます。B熱電対より特性が良いため、高温領域の熱電対として最も一般的に用いられています。

    RとS熱電対の違いはロジウム合金に対する含有量で、R熱電対は13%、S熱電対は10%となっています。これらはほぼ同じ特性を持っていますが、R熱電対の方が熱起電力が大きいため、より高精度な測定が可能です。

    N熱電対(‐200~1200℃)

    陽極側にニッケル、クロム、シリコンなどの合金、負極にニッケル、シリコンなどの合金を用いて作られる熱電対です。白金などの貴金属を使わずに作れるため安価で、かつ広い温度範囲で使えるという特徴を持ちます。

    K熱電対(‐200~1200℃)

    陽極側にニッケル、クロムなどの合金、負極にニッケル、アルミニウムなどの合金を用いて作られる熱電対です。N熱電対とほぼ同じ性能を持ち、温度変化に対する熱起電力が直線性に優れることから、最も一般的に使われています。

    J熱電対(0~600℃)

    陽極側に鉄、負極側に銅、ニッケルなどの合金を用いて作られる熱電対です。錆びやすいという短所こそありますが、熱起電力が高く測定精度が良いので、中程度の温度測定でよく用いられます。

    T熱電対(‐200~300℃)

    陽極側に銅、負極側に銅、ニッケルなどの合金を用いて作られる熱電対です。電気抵抗が小さく、熱起電力も安定していることから、主に低温領域での精密測定に用いられます。

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    まとめ

    今回は、温度センサーの一つである「熱電対」について、原理や特徴、主な種類などを紹介しました。熱電対とは2種類の金属線を溶接し、ゼーベック効果による起電力を測定して温度を測る装置のことです。

    温度センサーの中でも最もシンプルで安価に作れるため、特に研究開発などで非常によく使われます。熱電対自体は繊細でしっかり接触させなければならないといった注意点こそありますが、用途は広いのでぜひ使いこなせるようになってください。

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