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  • なぜ電気自動車は日本で普及しないのか?現状と将来像を解説
  • なぜ電気自動車は日本で普及しないのか?現状と将来像を解説

    2023.10.05更新

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    この記事を書いた人

    機電系専門ライター Div.長谷川

    長谷川

    FREE AID編集部 機電系専門ライター Div.
    アナログ回路設計・営業を経験した後ライター&ディレクターとして独立。
    電気電子・ITジャンルを得意とし、正確で分かりやすい情報の発信を行っています。

    まだまだガソリン車が主流の日本において、電気自動車がこれから普及するのか気になる方も多いのではないでしょうか。電気自動車はこれから主流となっていくことが予測されますが、日本で普及するにはしばらく時間がかかるのが現状です。

    本記事では、日本で電気自動車が普及しない理由と、将来性について詳しくお伝えします。

    電気自動車を取り巻く状況

    電気自動車の開発が本格化したのは、EUの「欧州グリーンディール」に関する法案により、2035年までに実質的にガソリン車が販売禁止となったことがきっかけです。

    この法案に関連し、日本を含む各国でガソリン車を販売禁止とする動きが加速しています。各国でどのように規制が進んでいるか詳しく解説します。

    世界の法規制

    まず、海外の動向をまとめてご紹介しましょう。欧州の各国は欧州グリーンディールに合わせて厳しい政策が定められたほか、中国、インドでも電気自動車への移行が急速に推し進められています。

    国名 電気自動車に関する政策
    イギリス ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止、ハイブリッド車に対しても、排出ゼロの規制をクリアした車以外は2035年までに販売禁止
    フランス 2040年までに全てのガソリン車とディーゼル車の新車販売を停止
    ドイツ 2040年までに全てのガソリン車とディーゼル車の新車販売を停止
    中国 2035年までに新エネルギー車の割合を50%以上にし、その中の95%をEV、残りをHV化
    インド 2025年までに電動二輪車を100%EV化、2030年までに四輪自動車の30%をEV化
    アメリカ 2030年までに販売される新車の半分をEV化

    中国やインドでは排ガスによる大気汚染を抑える意図もあり、他の国でも同様に電気自動車が推進されていく可能性があります。

    また、欧州では、表記した国以外も多くの国が同様の政策を発表しており、規制に伴って電気自動車の開発・販売が急速に進んでいます。欧州自動車工業会の発表によると、EU+英国は2020年時点で電気自動車の普及率が5.6%と、徐々にガソリン車からの代替が進んでいるようです。

    日本の法規制と動向

    世界の動向と比べると、日本の電動化に向けた取り組みは遅れていますが、最近になって、電動自動車普及への具体的な動きが加速してきています。

    中でも最も大きい動きは、2021年1月の施政方針演説にて、菅首相が表明した「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」という発表です。

    この発表に伴い、電気自動車がより普及しやすくなるための各種取り組みや、各自動車メーカーの電気自動車開発が加速しており、電気自動車が受け入れられやすい土壌が作られつつあります。

    なぜ電気自動車が普及しないのか

    普及に向けた取り組みが加速している電気自動車ですが、実際に日本で電気自動車が走っている姿を見た人はほとんどいないのではないでしょうか。ここからは、電気自動車が普及していない理由をお伝えします。

    価格が高い

    まず、最も大きい理由は電気自動車の価格の高さです。日産「リーフ」は330万円~、ホンダの「Honda e」は450万円~と、同クラスのガソリン車・ハイブリッド車と比べるとかなり高額です。

    価格が高くなる理由は、ガソリンの代わりとなる充電池の高さがあります。電気自動車は、リチウムイオン電池を大量に搭載して長距離の移動を実現していますが、安価で容量の多い電池が見つかっていないので、コストが高止まりしているのが現状です。

    電気自動車に向けた次世代電池の開発も盛んに行われていますが、ガソリン車なみの低価格を実現するのは現状では難しいといえるでしょう。

    遠距離移動に不安がある

    電気自動車の場合、電池性能が航続距離に関係してきます。現在、一般的な走行モデルでクルマを走らせたときの航続距離は、日産「リーフ」で322km、ホンダ「Honda e」が256kmと公表されています。

    ガソリン車の航続距離は一般的に600km以上であることを考えると、電気自動車の航続距離はかなり短いといえるでしょう。充電スタンドの数も十分とは言えないので、遠出している最中に充電が切れてしまうという心配もあります。

    充電に時間がかかる

    充電を行う際に、ガソリン車と比べると圧倒的に時間がかかるのもデメリットです。例えば、日産「リーフ」では、急速充電を行ったとしても、80%充電に40分かかります。

    普段家で夜中に充電するなら問題はありませんが、外出先で充電する場合はストレスがたまる人が多いかもしれません。

    マンションで充電スタンドが設置できない

    マンションなどの集合住宅に住んでいる場合は、充電スタンドが設置するのが難しいことも大きな問題となっています。集合住宅では、駐車場に充電スタンドを設置するには管理組合の合意を得る必要があるのですが、他の住民に反対を受け充電スタンドが設置できない、ということが多発しているのです。

    電動自動車が普及していないことが原因で充電スタンドが設置できず、それが電動自動車の普及を妨げるという、負のスパイラルが発生しているため、解決が難しいといえます。

    車種が少ない

    これまでは、ほとんどの国内自動車メーカーが注力していたのはガソリン車やハイブリッド車であり、電気自動車の販売台数はかなり少ないのが実情です。

    現在、日本の車メーカーから発売されているのは日産「リーフ」「アリア」、ホンダ「Honda e」、商用車の三菱「ミニキャブ・ミーブ」だけであり、車種の選択肢が少ないのも普及を妨げる要因といえるでしょう。

    電気自動車の将来性

    課題が山積している電気自動車ですが、将来的には問題の大半は解決することが予測されています。ここからは 、電気自動車の将来性について解説します。

    製造数は爆発的に伸びる

    従来はハイブリッド車に注力していた日本の車メーカーですが、現在は電気自動車推進の流れを受けて、下記のように目標を定めた上で開発が行われています。

    メーカー 設定目標
    トヨタ 2025年までに15種類の電気自動車を投入
    ホンダ 2040年までに世界で販売する新車を全て電気自動車や燃料電池車に
    日産 2025年までに国内における電気自動車の販売割合を50%に

    量産が進むにつれて、軽自動車などの車種も増え、手ごろな価格で電気自動車が購入できるようになるでしょう。

    充電スタンドが増加

    電気自動車の推進に伴って、充電スタンドの大幅な増加も予定されています。

    政府の方針によると、2030年までに電気自動車用の休息充電器を今の約4倍となる3万基に増やし、燃料電池車用の水素ステーションの数も2025年に今の2倍程度にあたる320基に増やす予定です。現在のガソリンスタンドの数は約3万箇所なので、将来的には充電スタンドの方が身近な存在となるでしょう。

    補助金が増額する

    2021年度時点では、電気自動車を購入した際に、政府から下記のうちいずれかの補助金が受けられます。

    補助金制度 最大補助額
    環境省補助金 80万円
    経済産業省補助金 60万円
    CEV補助金 40万円

    一部の自治体では独自の補助金を出している所もあり、政府の補助金とあわせて受け取ることが可能です。車体価格の高さもあり大きなメリットとはいえませんが「2022年には経済産業省が補助金の予算を倍以上にする」という報道もあります。

    2035年までの電気自動車の普及に合わせて、補助金が更に増額される可能性は高いと言えるでしょう。

    次世代電池が開発される

    電気自動車の性能は電池の性能で決まることから、電池に技術革新が起きれば、電気自動車の課題が解決する可能性もあります。

    例えば、固体の電解質を使った「全固体電池」の研究を始め、急速充電が10分で行える材料の開発など、次世代電池の開発が世界中で行われています。

    航続距離や価格面でのデメリットが解決する日も、そう遠くはないかもしれません。

    まとめ

    今回は、電気自動車が日本で普及していない理由と、将来性について詳しくお伝えしました。現在は、ガソリン車と比べた際に性能面や価格面でデメリットが多いことが、普及を妨げている理由です。

    ただ、電気自動車は本格的な開発が行われて日が浅いことから、数年後には様々なモデルが発売され、導入ハードルは下がると想定されます。電気自動車の購入を検討されている方は、政府の政策、技術動向などをチェックした上で選ぶとよいのではないでしょうか。

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