半導体メモリとは?代表的な種類・特徴・用途について徹底解説!
2024.08.20更新
機電系エンジニア必見!!貴重なフリーランス案件はこちら ▶パソコンやスマホなどの電子機器における記憶媒体として使用される半導体メモリ。パソコンなどのスペックでよく見かけるROMやRAMも半導体メモリの性能を表しています。しかし、身近なはずの半導体メモリについて、その種類や具体的な特徴をしっかり理解している人は少ないはず。そこで今回は電子機器の記憶媒体として欠かせない半導体メモリについて基本的な内容に絞って解説します。
半導体メモリとは?
半導体メモリとはその名の通り半導体素子を使用した記憶媒体のことです。単に”メモリ”と呼ばれることも多く、パソコンやスマホ、ゲーム、タブレットなど様々な電子機器に使用されています。通常、メモリは用途の違いによって主記憶装置と補助記憶装置の2種類に分けられていて、主記憶装置に使用されるのが半導体メモリです。
ハードディスクなどに代表される補助記憶装置に比べると容量は小さいものの、消費電力が少なく、比較的安価で使える、通信速度が早い、小型で軽量、機械的な駆動部がないといった特徴があります。主記憶装置のスペックや容量はパソコンなどの処理速度に直結するため、昨今の電子機器類の性能向上を牽引していると言っても過言ではありません。
半導体メモリの種類
半導体メモリには、電源を落とすと記憶したデータも消えてしまう揮発性メモリと、電源を落としてもデータが保持される不揮発性メモリの2種類が存在します。ここからはこれらのメモリの代表的な種類について、特徴や原理にも注目しながら解説していきます。
揮発性メモリ
揮発性メモリとは、電源供給がたたれるとデータが消滅(揮発)してしまうメモリのことで、大きくDRAMとSRAMの2種類があります。どちらにもRAM、すなわちランダムアクセスメモリーという意味の単語が含まれており、データへのアクセス速度が非常に早いのが特徴的です。
そのため、揮発性メモリはパソコンのデータを長期的に保管する目的ではなくCPUの計算結果を一時的に保管しておく、メインメモリとしての用途が中心となります。
SRAM
SRAM(Static RAM)はフリップフロップ回路を使用してデータを記憶するメモリです。フリップフロップ回路とは0か1の1ビット情報を記憶できる回路のことで、電圧が印加されている間だけデータを記憶します。
SRAMは原理が非常に単純なため、動作が高速で消費電力も小さいメリットがある一方で、単位データ辺りの回路構造が大きいため、メモリとしての記憶性能は高くありません。これらの特徴から、CPUが一時的にデータを保管するキャッシュメモリに使用され、CPUの素早い演算を補助しています。
DRAM
フリップフロップ回路を用いてデータを記憶するSRAMに対し、コンデンサを使用してデータを記憶する揮発性メモリがDRAM(Dynamic RAM)です。DRAMではコンデンサに電荷が蓄えられている状態を1、電荷がない状態を0と判断し、電圧の印加状態によってデータを記憶します。
また、コンデンサに充電された電荷は一定時間経つと自然放電してしまうため、DRAMは再度データを書き込むリフレッシュ操作を定期的に行うことで長時間データを保持します。なお、SRAMがStatic(静的)、DRAMがDynamic(動的)と呼ばれるのも、リフレッシュ動作の有無に起因します。
リフレッシュ操作の存在により、SRAMに比べると消費電力や動作速度が劣るものの、相変わらず安価で高速なため、CPUの演算結果を保存するメインメモリとして使用されます。
不揮発性メモリ
揮発性メモリに対して電源供給が断たれてもデータを保持できるメモリを不揮発性メモリと呼びます。不揮発性メモリには原理や特徴の違いから、マスクROM、PROM、フラッシュメモリ、FeRAMなど様々な種類があり、データ保管を目的とした補助記憶装置に多く使用されます。
マスクROM
マスクROMは集積回路のパターンをデータ保存に使用するROMで、フォトマスクによって配線を固定してデータを記憶します。ROM(Read Only Memory)と付いていることからもわかる通り、基本的に一度書き込んだデータを書き換えることができない、読み込み専用の記憶媒体です。
構造が単純で大量生産によるコストダウンも狙えることから、ゲームのカセットや各種PCソフトのインストールディスクなど、内容を変更する必要がなく、大量生産が前提となるデータの配布に向いております。
一方でフォトマスクのパターン開発・製造にも工数がかかってしまう上、製造後にバグ修正などの修正パッチも当てられないなどのデメリットがあるため、昨今ではPROMなど別のROMに置き換えられつつあります。
PROM(Programable ROM)
PROMは、通常時は読み込み専用でありながら、特殊な操作を経ることで書き換えも可能になるメモリの総称です。具体的な種類として、一回だけ書き換え可能なOTP ROMや、何度も書き換え可能なEPROMなどがあり、OTP ROMではROMライタと呼ばれる専用の機械を使用して高電圧を印加することで一度だけデータの書き換えが可能です。
EPROMは一度書き込んだデータを紫外線の照射や電気信号によって削除し、再度印字することができる書き込み可能なメモリです。データの保存には電界効果トランジスタ(MOS FET)が使用され、1ビットのデータを1つのMOS FETで保存します。
EPROMには紫外線を使用するUV-EPROMと電気信号を使用するEEPROMがあり、UV-EPROMはセル中央の石英ガラス越しに強い紫外線を照射することでデータを削除するのに対し、EEPROMは通常よりも強い電圧を印加することでデータを削除して書き換えます。最近ではEEPROMを派生させたフラッシュメモリが誕生したことで、従来のPROMは徐々に使われなくなっています。
フラッシュメモリ
EPROMにはデータ書き換え時に他の全てのデータが消去されてしまう欠点が挙げられますが、この欠点を克服したのがフラッシュメモリです。他のPROM同様、浮遊ゲート電界効果トランジスタを使用し、外部機構なしにデータの削除・書き換えが可能で、データを全て削除するのではなくブロック単位で書き換えられる特徴があります。
フラッシュメモリは回路構造の違いによりNAND型とNOR型の2種類に分けられ、大容量で安価なNAND型はUSBメモリや携帯電話の記憶装置、カメラのメモリーカードなどの汎用記憶装置として、信頼度の高いNOR型はハードディスクが使用できない環境下におけるファームウェアを保存する記憶装置として使用されます。
FeRAM
強誘電体を使用するFeRAM(Ferroelectric RAM)は、外部電界によって生じた分極が外部電解がなくなっても維持されるという強誘電体の性質を利用したメモリです。DRAMと同じくコンデンサを形成したデータを記憶しますが、絶縁体の代わりにチタン酸バリウムなどの強誘電体を利用し、分極の正負をビット単位のデータとして記憶します。
この構造によりDRAMの特徴である素早いデータ処理能力を持ちながら、外部電源なしにデータを記憶できる不揮発性メモリのデータ保持能力を実現しています。他の不揮発性メモリに比べると依然として量産コストが高く実用化がまだまだ進んでいないものの、非接触式ICへ利用されるなど次世代の不揮発性メモリとして期待されています。
まとめ
今回は身の回りの電子機器に使用されている半導体メモリについて解説しました。パソコンやスマホをはじめとする多くの電子機器の性能はメモリ性能に左右されるため、半導体メモリの発展は我々の生活を大きく進歩させる可能性を秘めています。特に扱うデータ量が莫大に増えている現代では、メモリの進歩が急務といえますから、今後の技術進歩に特に注目していきましょう。
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